世界の電気自動車(EV)シフトが加速するなか、中国製部品の重要性が急速に高まっている。2023年の世界EV販売台数は前年比35%増の約1,400万台に達し、そのうち中国メーカーのシェアは60%を超えた。これに伴い、バッテリーやモーター、パワー半導体などEV向け部品の供給において、中国企業の存在感が増している。
中国製部品の競争力が急上昇
中国はEV用バッテリーの世界生産量の約7割を占め、部品全体でも世界シェアを拡大している。特に、低コストかつ大量生産が可能な点が強みだ。調査会社によると、中国製バッテリーの価格は韓国製や日本製に比べて2~3割安く、この差は今後も縮まりにくいとみられる。
日本企業も中国製部品の採用を拡大している。トヨタ自動車は2024年から中国製バッテリーを一部のEVに搭載する方針を表明。日産自動車やホンダも中国企業との提携を強化し、調達コストの低減を図る。
サプライチェーンのリスクと対策
しかし、中国依存の高まりはリスクも伴う。地政学的緊張や輸出規制の可能性に備え、日本企業はサプライチェーンの多様化を進めている。経済産業省は2023年、重要鉱物の安定供給に向けて、資源国との連携強化やリサイクル技術の開発支援を打ち出した。
ある自動車部品メーカーの幹部は「中国製部品の品質は向上しており、コスト面で太刀打ちできない。一方で、過度な依存は避けたい」と語る。バランスの取れた調達戦略が求められる。
日本企業の対応と今後の展望
日本企業は中国以外の供給源の開拓にも動いている。例えば、パナソニックは北米でのバッテリー生産拡大を計画。また、東芝はレアアースを使わないモーターの開発を進め、中国依存からの脱却を目指す。
専門家は「EVシフトは中国の製造力をさらに高める可能性がある。日本企業は技術革新とサプライチェーンの柔軟性で差別化すべきだ」と指摘する。今後のEV市場の行方は、日本企業の対応に大きく左右されるだろう。



