電気自動車(EV)シフトが加速する中、中国メーカーが世界市場で存在感を強めている。2023年の世界のEV販売台数は約1400万台に達し、そのうち中国メーカーが約60%を占めた。一方、日本メーカーのシェアはわずか5%程度にとどまり、競争力の低下が深刻な課題となっている。
中国EV市場の急成長
中国では、BYDや蔚来汽車(NIO)などの新興メーカーが急成長を遂げている。BYDは2023年に約300万台のEVを販売し、世界最大のEVメーカーとなった。中国政府の補助金政策や充電インフラの整備が市場拡大を後押ししている。また、中国メーカーは低価格帯から高級車まで幅広いラインアップを揃え、消費者の多様なニーズに対応している。
日本メーカーの苦戦
日本メーカーは、ハイブリッド車(HV)で優位に立ってきたが、EVへの移行で出遅れている。トヨタ自動車は2023年に約10万台のEVを販売したが、世界シェアは1%未満。日産自動車はリーフで先行したものの、その後競争に敗れた。専門家は「日本メーカーはEVの技術開発や生産体制で中国に大きく差をつけられている」と指摘する。
サプライチェーンの再編
EVシフトは部品メーカーにも影響を与えている。エンジンやトランスミッションなどの従来型部品の需要が減少し、バッテリーやモーターなどのEV部品へのシフトが進む。中国のCATLやBYDが世界のバッテリー市場でシェアを拡大しており、日本メーカーの競争力は低下している。ある部品メーカーの幹部は「日本の自動車産業は岐路に立たされている。EV対応が遅れれば、部品メーカーの多くが淘汰される可能性がある」と警告する。
政府の対応と課題
日本政府は、EV普及に向けて補助金や充電インフラ整備を進めているが、中国や欧米に比べて遅れている。2035年までに新車販売を全て電動車両にする目標を掲げるが、実現には課題が多い。自動車業界からは「政府の支援が不十分で、企業単独での競争は難しい」との声が上がる。
今後の展望
中国メーカーは、東南アジアや欧州市場にも進出を加速している。日本メーカーは、HVで培った技術を活かしつつ、EVの開発を急ぐ必要がある。しかし、技術面やコスト面での差は大きく、巻き返しは容易ではない。自動車評論家は「日本メーカーが生き残るには、EVだけでなく、水素や燃料電池など多様な選択肢を追求する必要がある」と述べている。



