EVバッテリー交換式の中国Nio、欧州進出で苦戦 現地生産も視野に
EVバッテリー交換式のNio、欧州進出で苦戦

中国の電気自動車(EV)メーカーであるNio(蔚来汽車)が、欧州市場への進出で苦戦している。バッテリー交換式という独自のビジネスモデルが、欧州の充電インフラや消費者の嗜好とマッチせず、販売台数は伸び悩んでいる。同社は現地生産を含む戦略の見直しを迫られている。

バッテリー交換式の優位性と欧州での課題

Nioの最大の特徴は、バッテリーを数分で交換できる「バッテリー交換ステーション」のネットワークだ。中国国内では約2,400カ所のステーションを展開し、ユーザーは充電の待ち時間から解放される。しかし、欧州では事情が異なる。欧州ではCCSやCHAdeMOなどの急速充電規格が普及しており、バッテリー交換式のインフラはほとんど存在しない。Nioは欧州でも交換ステーションの設置を進めているが、その数は限定的で、2024年時点で約50カ所にとどまる。

さらに、欧州の消費者は車両を所有するよりもリースやサブスクリプションを好む傾向が強く、Nioのバッテリーリースモデル(BaaS: Battery as a Service)は必ずしも受け入れられていない。Nioの欧州での販売台数は、2023年に約1,500台、2024年上半期でも約1,000台と低迷している。これは、欧州全体のEV販売台数(2023年約200万台)の0.1%にも満たない。

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現地生産へのシフトとコスト問題

Nioは中国から完成車を輸出しているが、欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税の導入を検討していることから、現地生産の必要性が高まっている。同社はハンガリーやドイツでの生産拠点設立を検討していると報じられているが、具体的な計画はまだ明らかになっていない。現地生産には巨額の投資が必要であり、Nioの財務状況は厳しい。2023年の純損失は約200億元(約4,000億円)に達し、赤字が続いている。

また、バッテリー交換ステーションの設置コストも課題だ。1カ所あたり約300万元(約6,000万円)かかるとされ、欧州全域にネットワークを広げるには数百億円単位の投資が必要となる。Nioの共同創業者でCEOの李斌氏は「欧州は長期的な市場であり、焦りはない」と述べているが、投資家からは収益化への道筋が不透明だとの声が上がっている。

競合他社との差別化と生き残り戦略

欧州では、テスラやフォルクスワーゲン、BMWなどがEV市場を席巻しており、Nioがシェアを拡大するのは容易ではない。Nioは高級車ブランドとしてのポジショニングを打ち出し、ドイツの高級車メーカーとの競争を挑んでいるが、ブランド認知度はまだ低い。同社は2024年、欧州向けに新型車「ET5」や「ET7」を投入し、販売網を拡大しているが、販売台数は伸び悩んでいる。

Nioは、バッテリー交換式に加えて、スマートフォンとの連携や自動運転技術など、独自のエコシステムを売りにしている。しかし、欧州の消費者は既存のEVに満足しており、Nioの優位性を感じにくいのが実情だ。同社は2025年までに欧州で100カ所以上の交換ステーションを設置する計画だが、それでも中国国内のネットワークに比べると規模は小さい。

アナリストからは、Nioが欧州で成功するためには、現地パートナーとの提携や、バッテリー交換式に依存しない戦略が必要だとの指摘がある。例えば、他のEVメーカーと交換ステーションを共有するなど、コスト削減の取り組みが求められている。

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