中国の電気自動車(EV)大手BYDは2025年に日本市場で新型EVセダン「シール」を発売する方針を明らかにした。価格は528万円(税込み)からで、一充電あたりの航続距離は640km以上を実現する。BYDの日本法人であるBYDジャパンが2023年11月に発表した。
日本市場での販売戦略
BYDは2023年1月に日本市場に参入し、現在はコンパクトSUV「ATTO 3」と小型ハッチバック「ドルフィン」の2車種を販売している。2024年には新型EV「シール」を投入し、ラインアップを拡充する。BYDジャパンの東福寺厚樹社長は「日本のお客様にEVの魅力を伝えるため、高品質で手頃な価格のモデルを提供する」と述べている。
BYDは2025年までに日本国内で販売台数年間3000台を目標に掲げている。2023年の日本でのEV販売台数は約100台にとどまっているが、今後は販売網の拡充や充電インフラの整備を進める方針だ。
「シール」の主な特徴
「シール」はBYDの高級EVブランド「王朝」シリーズに属するセダンで、中国市場では2022年に発売された。全長約5m、全幅約1.9mの大型セダンで、後輪駆動と四輪駆動の2種類のパワートレインを設定する。最高出力は後輪駆動で308馬力、四輪駆動で517馬力。0-100km/h加速は3.8秒と、スポーツカー並みの性能を誇る。
バッテリーはBYD独自のブレードバッテリーを搭載し、容量は82.5kWh。航続距離は中国の基準で640km(後輪駆動)から700km(四輪駆動)とされる。日本仕様ではWLTCモードでの航続距離は未公表だが、500km以上を見込む。
日本市場のEV競争激化
日本市場では、日産自動車の「リーフ」や「サクラ」、三菱自動車の「eKクロスEV」など国産EVが販売されている。また、テスラも「モデル3」や「モデルY」を販売しており、海外勢との競争が激化している。BYDは中国市場で販売実績のあるモデルを日本に投入し、低価格と高性能で差別化を図る。
BYDジャパンは2025年までに全国に約100店舗の販売拠点を設置する計画だ。また、急速充電器の設置も進め、ユーザーの利便性向上を目指す。日本政府は2035年までに新車販売のすべてを電動車にする目標を掲げており、EV市場の拡大が見込まれる。
BYDの日本参入は、中国メーカーが日本の自動車市場に本格的に進出する初めてのケースとなる。日本自動車工業会のデータによると、2023年の日本国内のEV販売台数は約8万台で、新車販売に占める割合は約1.5%にとどまる。しかし、政府の補助金や充電インフラ整備の進展により、2025年にはEV比率が5%に達する見通しだ。
BYDは世界最大のEVメーカーであり、2023年の世界販売台数は約300万台に達する。日本市場での成功が、グローバル戦略の重要な鍵を握る。



