中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は2025年に、航続距離が2000キロメートルを超える新型プラグインハイブリッド車(PHEV)を市場に投入すると発表した。同社の最新技術「第5世代DM(デュアルモード)」を搭載し、燃費性能を大幅に向上させるという。
第5世代DM技術の詳細
BYDの第5世代DMシステムは、エンジンとモーターの効率的な連携により、従来のPHEVを大幅に上回る燃費を実現。同社によれば、燃料消費量は100キロメートルあたり2.9リットル未満に抑えられる。この技術は、BYDが独自開発した高効率エンジンと、エネルギー密度の高いブレードバッテリーを組み合わせたものだ。
BYDの広報担当者は「第5世代DMは、プラグインハイブリッドの新たな基準を打ち立てる。航続距離2000キロメートルは、ガソリン車と比べても遜色ない」と述べている。
市場への影響と競争
BYDは既に中国市場でPHEVの販売を拡大しており、2024年上半期のPHEV販売台数は前年同期比で約40%増加した。今回の新型車投入により、さらにシェアを拡大する狙いだ。競合する中国EVメーカーの小鵬汽車(XPeng)や理想汽車(Li Auto)もPHEVやレンジエクステンダー車の開発を進めており、市場競争は激化している。
アナリストは「BYDの新技術は、PHEV市場における優位性を強化するだろう。しかし、航続距離の長さだけでなく、充電インフラや価格競争力も重要になる」と指摘する。
環境規制とEVシフト
中国では、2025年までに新車販売に占めるNEV(新エネルギー車)の割合を20%にする目標が掲げられている。BYDはEVとPHEVの両方でラインアップを強化し、この目標達成に貢献する方針だ。同社は2024年上半期に世界で約150万台のNEVを販売しており、そのうちPHEVは約70万台を占めた。
BYDの王伝福(Wang Chuanfu)会長は「PHEVは、EVへの移行期において重要な役割を果たす。特に充電インフラが整っていない地域では、PHEVが現実的な選択肢となる」と述べている。
今後の展開
新型PHEVの価格や具体的な発売時期は未公表だが、BYDは2025年中に中国市場で販売を開始し、その後海外市場にも展開する計画だ。欧州や東南アジアでもPHEVの需要が高まっており、BYDのグローバル戦略においても重要なモデルとなる見通し。
BYDはまた、全固体電池の開発も進めており、2027年頃の実用化を目指している。長期的にはEVへの完全移行を見据えつつ、当面はPHEVを含む多様なパワートレインで市場に対応する方針だ。



