中国のEV電池大手CATL、香港上場で約6800億円調達へ
中国EV電池大手CATL、香港上場で6800億円調達

中国の電気自動車(EV)用電池最大手であるContemporary Amperex Technology Co. Ltd.(CATL)は、香港証券取引所への上場を通じて、約6800億円(約50億ドル)を調達する計画を明らかにした。同社はすでに深圳証券取引所に上場しているが、香港での重複上場により、国際的な投資家からの資金調達を拡大し、世界市場での競争力を強化する狙いがある。

調達資金の使途と生産拡大

CATLは、調達した資金の大部分を生産能力の拡大に充てる方針だ。同社は現在、中国国内に複数の巨大工場を有しており、ドイツやハンガリーなど海外でも生産拠点の建設を進めている。世界のEV需要は急速に拡大しており、CATLは2025年までに生産能力を現在の約3倍に引き上げる目標を掲げている。具体的には、2023年末時点で約300ギガワット時(GWh)だった生産能力を、2025年には約800GWhに増強する計画だ。

世界市場におけるCATLの地位

CATLは、韓国のLGエナジーソリューションや日本のパナソニックを抑え、世界のEV用電池市場で約37%のシェアを占めるトップ企業である(2023年、SNEリサーチ調べ)。同社の主な顧客には、テスラ、BMW、フォルクスワーゲン、トヨタ自動車など、世界的な自動車メーカーが名を連ねる。特にテスラ向けの供給が大きく、上海工場で生産されるモデル3やモデルYにCATL製電池が搭載されている。

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香港上場の背景と課題

香港上場は、米中対立の激化により、中国企業が米国市場で資金調達しにくくなっている背景もある。CATLは2022年にスイスでグローバル預託証券(GDR)を発行する計画を発表したが、規制上の理由から中止していた。香港市場は国際的な資金調達の場として機能しており、CATLのようなハイテク企業にとって魅力的な選択肢となっている。

一方で、香港市場は近年、中国経済の減速や規制強化の影響で低迷しており、企業の上場審査が厳格化されている。CATLの上場計画は、香港取引所にとって大型案件となるが、市場の状況次第では調達額が変動する可能性もある。

業績と今後の展望

CATLの2023年の売上高は約6兆4000億円(約580億ドル)で、前年比約35%増加した。純利益は約1兆2000億円(約110億ドル)と、同約40%増の過去最高を記録した。同社は研究開発にも積極的で、2023年の研究開発費は約5000億円(約45億ドル)に上る。特に、エネルギー密度が高く、安全性に優れた新型電池「ナトリウムイオン電池」や、航続距離を大幅に延ばす「全固体電池」の開発に注力している。

世界のEV市場は、中国や欧州、北米を中心に拡大を続けており、CATLの需要は今後も堅調に推移すると見られる。しかし、競合他社の追い上げや、原材料価格の高騰、地政学的リスクなど、課題も少なくない。CATLは香港上場を通じて調達した資金を活用し、技術開発と生産拡大を加速させることで、競争優位を維持する戦略だ。

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