EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻、日本勢の競争力低下
EVシフト加速、中国製電池が世界市場を席巻

世界の電気自動車(EV)用電池市場で中国企業の存在感が急速に高まっている。2023年の世界市場シェアで、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の2社で40%超を占め、中国勢全体では60%を超えた。一方、日本のパナソニックホールディングスは約7%と、10%を切る水準に低下している。

市場拡大と中国勢の躍進

調査会社SNEリサーチによると、2023年の世界のEV用電池の総搭載量は前年比38%増の約705GWh(ギガワット時)に達した。内訳をみると、CATLがシェア36.8%で首位、BYDが15.8%で2位に続く。韓国のLGエナジーソリューションが13.6%で3位、パナソニックは7.0%で4位と、日本勢でトップ10に入るのはパナソニックのみである。

中国市場ではEV販売が急拡大しており、2023年の新車販売に占めるEVの割合は約25%まで上昇した。中国政府の補助金政策や充電インフラ整備が後押しし、国内需要が電池メーカーの生産規模拡大を支えている。CATLはドイツやハンガリーなど海外にも工場を建設し、グローバル展開を加速している。

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日本勢の苦戦要因

パナソニックはテスラ向けの供給に依存しており、テスラの販売動向に業績が左右されやすい。2023年、テスラは価格競争激化により米国や中国で販売が伸び悩み、パナソニックの電池出荷量に影響を与えた。また、パナソニックは円安による原材料コスト上昇や、生産効率の改善が遅れていることも課題だ。

さらに、日本勢はリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の開発で中国勢に後れを取っている。LFP電池は従来の三元系電池よりエネルギー密度は低いが、コストや安全性で優れ、中国メーカーが量産で先行している。テスラも2022年から中国製モデルにLFP電池を採用し、CATLから調達している。

韓国勢の攻勢と今後の展望

韓国のLGエナジーソリューションやSKオン、サムスンSDIは、北米市場を中心にシェア拡大を狙う。米国のインフレ抑制法(IRA)により、北米で組み立てられたEVには税控除が受けられるため、韓国勢は米国での生産能力増強を進めている。LGはGMとの合弁工場を稼働させ、SKはフォードと提携している。

一方、中国勢はIRAの対象外となる可能性があるが、欧州や東南アジアで市場開拓を進めている。CATLはBMWやメルセデス・ベンツとの供給契約を拡大し、BYDは自社ブランドのEV販売を世界に広げている。

日本政府は、蓄電池の国内生産基盤強化を掲げ、パナソニックやGSユアサなどに対する補助金を拡充する方針だ。しかし、技術面やコスト面での競争は厳しく、日本勢が巻き返すには、次世代電池(全固体電池など)の実用化が鍵となるとみられる。

業界関係者は「日本勢が生き残るには、車載電池だけでなく、定置用蓄電池や航空機向けなど、多様な用途での技術開発が必要」と指摘する。全固体電池は2020年代後半の実用化が期待されるが、量産技術やコスト低減の課題は多い。

まとめ

EV用電池市場は、中国勢の寡占状態が続くと予想される。日本勢は差別化技術の確立と海外市場でのパートナーシップ強化が急務だ。2024年以降も、CATLとBYDの2強体制が続く中、韓国勢がどこまで迫れるかが注目される。

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