中国の電気自動車(EV)用電池最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)の2025年第1四半期(1~3月)決算は、売上高が前年同期比10%減の847億元(約1兆7000億円)となった。純利益は前年比5%減の110億元。EV販売の世界的な減速が業績に影を落としている。
EV市場の減速が直撃
CATLは世界のEV用電池市場で約37%のシェアを握るが、中国国内のEV販売台数は2024年後半から伸び率が鈍化。2025年第1四半期の中国新エネルギー車販売は前年同期比22%増だったものの、前四半期比では横ばい。さらに、欧州や米国でも補助金縮小や需要減退によりEV販売が低迷している。
同社の財務報告によると、在庫は2024年末比で12%増加し、約480億元に達した。これは過去3年で最大の水準。アナリストは「CATLは生産調整を迫られている」と指摘する。
過剰供給と競争激化
中国の電池業界全体では、2024年から2025年にかけて新規参入や増産により供給過剰が顕在化。CATLの粗利益率は前年同期の26%から24%に低下した。同社はリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)の価格を2024年比で15%引き下げており、収益を圧迫している。
一方、競合の比亜迪(BYD)は自社製電池の搭載を拡大し、CATLからの調達を減らしている。BYDの2025年第1四半期のEV販売は前年比18%増だったが、CATLへの電池発注は減少したとされる。
海外展開と新技術に活路
CATLは業績悪化を食い止めるため、海外市場への依存を強めている。ハンガリー工場は2025年後半に量産開始予定で、欧州の自動車メーカーとの長期契約を獲得済みだ。また、ナトリウムイオン電池や全固体電池の開発を加速し、差別化を図る。
ただ、米国による中国製電池への関税引き上げや、欧州連合(EU)の補助金条件厳格化がリスク要因。CATLの広報担当者は「短期的な需要変動に対応しつつ、技術革新で競争力を維持する」とコメントした。
業界再編の可能性
業界関係者の間では、中小メーカーの淘汰が進むとの見方が強い。中国の電池メーカーは2024年時点で約70社存在するが、過半が赤字経営とされる。CATLが市場支配力を維持できるかは、コスト低減と技術開発の成否にかかっている。



