EV販売鈍化で中国電池大手CATLの業績に陰り、在庫増加と価格競争激化
EV販売鈍化でCATL業績に陰り、在庫増と価格競争

世界最大の電気自動車(EV)用電池メーカーである中国の寧徳時代新能源科技(CATL)の業績に陰りが見え始めている。2024年1〜3月期の純利益は前年同期比7%増の約105億元(約2200億円)にとどまり、市場予想を下回った。売上高は同10%減の797億元(約1兆6700億円)と、2桁の減少を記録した。

在庫が急増、需給バランスが悪化

CATLの在庫は2023年末の約454億元から2024年3月末には約493億元へと9%増加した。これはEV需要の減速と、競合他社との価格競争が激化していることを示している。中国ではEV補助金の縮小や経済成長の鈍化により、EV販売台数の伸びが鈍っている。

CATLは2023年も好調だったが、2024年に入り状況が一変した。同社は2024年通期の業績見通しを公表していないが、アナリストの間では減速懸念が強まっている。特に、中国国内市場での競争が激しく、BYDや中創新航(CALB)などのライバルが低価格戦略を強めている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

価格競争が収益を圧迫

CATLは2023年に業界平均を上回る利益率を維持していたが、2024年1〜3月期の粗利益率は前年同期の21.3%から18.9%に低下した。価格競争の影響で、電池の販売単価が下落していることが主因だ。同社はリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)と三元系リチウムイオン電池(NMC)の両方を手掛けるが、いずれも価格下落の圧力にさらされている。

CATLの創業者で会長の曾毓群氏は、2023年の株主総会で「2024年は業界全体にとって厳しい年になる」と述べていた。実際、中国のEV用電池市場では供給過剰が顕在化しており、業界再編の動きも加速している。

海外市場への依存度が高まる

CATLは中国国内市場の減速を補うため、海外市場への展開を加速している。同社はドイツ・テューリンゲン州に工場を建設中で、2024年内の稼働を目指している。また、ハンガリーにも工場を建設中で、欧州での生産能力を拡大する計画だ。

しかし、海外市場でも課題は多い。欧州連合(EU)は中国製EV電池に対する補助金の調査を開始しており、関税引き上げの可能性がある。また、米国ではインフレ抑制法(IRA)により、中国企業のサプライチェーンからの排除を進めている。CATLはFordとの提携により米国市場への参入を模索しているが、政治的な障壁が立ちはだかる。

CATLの今後の戦略

CATLは2024年、新技術の開発とコスト削減に注力している。同社は2023年に「凝縮状態電池(Condensed Battery)」と呼ばれる新しい電池技術を発表し、2024年には量産開始を目指している。この電池はエネルギー密度が高く、航続距離の延長に貢献するという。

また、CATLは電池のリサイクル事業にも力を入れている。同社は2023年に電池リサイクル会社の広東邦普循環科技を買収し、使用済み電池からの材料回収率を高める技術を開発中だ。これにより、原材料価格の変動リスクを低減し、持続可能なビジネスモデルを構築する狙いがある。

業界アナリストの間では、CATLの業績が2024年後半に底打ちするとの見方もある。しかし、EV需要の回復がいつになるかは不透明で、価格競争の激化は当面続くと予想される。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ