EV販売減速で中国電池大手CATLの業績に陰り、在庫増加が課題に
EV販売減速でCATL業績に陰り、在庫増加が課題

中国の電気自動車(EV)用電池最大手であるContemporary Amperex Technology(CATL)が2025年4月に発表した第1四半期決算は、業界の需要減速を如実に反映する内容となった。売上高は前年同期比8%減の890億元(約1.8兆円)に落ち込み、純利益は同12%減の98億元(約2000億円)にとどまった。特に在庫は過去最高の680億元(約1.4兆円)に膨らみ、同社の経営課題として浮上している。

EV販売鈍化が直撃、在庫水準が過去最高に

CATLの業績悪化は、中国市場におけるEV販売の急減速が主因だ。中国汽車工業協会によると、2025年第1四半期の中国国内のEV販売台数は前年同期比でわずか3%増と、前年の同25%増から大幅に鈍化した。補助金縮小や消費者の購買意欲低下が背景にある。CATLの電池出荷量は前年比5%減の約80GWhと推定され、稼働率も70%を下回ったとみられる。

在庫増加は特に深刻だ。同社の在庫は2024年末の620億元からわずか3カ月で60億元増加し、680億元に達した。これは同社の年間売上高の約19%に相当する水準で、在庫回転期間も90日を超えたとアナリストは試算する。在庫の大部分はリチウムイオン電池のセルと材料とされ、価格下落リスクを抱える。

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市場シェアは維持も、収益性に陰り

こうした逆風下でも、CATLは中国市場でのシェアを維持している。SNEリサーチのデータによると、2025年第1四半期の中国EV電池市場におけるCATLのシェアは45%と、前年同期の44%から微増した。しかし、収益性は悪化。営業利益率は前年同期の14%から11%に低下し、平均販売単価も前年比7%下落した。価格競争の激化が利益を圧迫している。

同社の広報担当者は「需要変動に対応するため、在庫管理を強化し、生産調整を進めている」とコメントしたが、具体的な対策の詳細は明らかにしていない。

業界全体に波及する需要減速の影響

CATLの業績悪化は、中国EV業界全体の構造的な課題を浮き彫りにしている。中国では2025年に入り、EV販売の伸びが鈍化。補助金削減に加え、ガソリン車との価格差が縮まらないことから、消費者が購入を控える傾向が強まっている。また、欧米による中国製EVへの関税引き上げも輸出に打撃を与えている。CATLの海外売上高は第1四半期に前年比15%減の180億元となり、全体の20%を占めるにすぎない。

アナリストの間では、CATLの在庫調整が年内いっぱい続くとの見方が強い。一方で、同社は次世代電池の開発に注力しており、ナトリウムイオン電池や全固体電池の量産化を2026年までに目指すとしている。しかし、需要回復のメドは立っておらず、当面は厳しい経営環境が続きそうだ。

競合他社も影響、業界再編の可能性

CATLの苦境は、競合他社にも波及している。中国第2位の電池メーカーBYDは2025年第1四半期に電池事業の営業利益が前年比20%減と報じられ、業界全体で収益悪化が顕著だ。市場では、中小メーカーの淘汰や業界再編が進むとの観測も出ている。CATLは依然として強固な財務基盤を持つが、在庫増加と需要減速が長期化すれば、投資計画の見直しを迫られる可能性もある。

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