カナダ政府は7月7日、中国製の電気自動車(EV)に対して100%の追加関税を課すと発表した。この措置は、米国のドナルド・トランプ前大統領が提案した中国からの輸入品に対する関税方針に同調するもので、7月11日から発効する。対象にはEVのほか、鉄鋼・アルミニウム製品も含まれ、それぞれ25%の関税が課される。
カナダ政府の声明と背景
カナダ財務省の声明によると、この関税措置は「中国の過剰生産能力がカナダの自動車産業と労働者に及ぼす脅威に対処するため」と説明されている。声明では「中国のEVは政府の補助金によって不当に低価格で輸出されており、カナダの製造業に打撃を与えている」と指摘。また、トランプ前大統領が大統領選挙公約として掲げた「中国製EVへの100%関税」に呼応する形で、カナダも同様の措置を取る必要があると判断したとしている。
業界団体の反応
カナダ自動車工業会(CVMA)の代表は「今回の関税措置は、カナダの自動車産業を保護する上で重要な一歩だ。しかし、長期的には国内のEV生産能力を強化するための政策が必要」と述べ、関税だけでは不十分との見解を示した。一方、中国商務省は「カナダの決定は世界貿易機関(WTO)のルールに違反しており、中国は必要な措置を検討する」と反発している。
米国との連携と今後の影響
カナダの関税措置は、米国が中国からの輸入品に対する関税を引き上げる動きと連動している。トランプ前大統領は6月、中国製EVに100%の関税を課す方針を表明しており、カナダもこれに追随する形となった。専門家は、この動きが中国のEVメーカーに打撃を与える一方、北米市場でのEV価格上昇につながる可能性を指摘する。また、カナダ政府は今後、中国製のバッテリーや部品にも追加関税を検討する方針で、自動車サプライチェーンへの影響が懸念されている。
カナダ国内の政治状況
カナダでは2025年10月に総選挙が予定されており、与党・自由党のジャスティン・トルドー首相は国内産業保護をアピールする狙いがあるとみられる。野党・保守党も中国への強硬姿勢を支持しており、今回の関税措置は超党派の支持を得ている。しかし、一部の経済アナリストからは「関税は消費者の負担増につながり、EV普及を遅らせる恐れがある」との批判も出ている。



