中国EV大手BYD、2027年までに欧州で生産開始へ-現地工場建設を加速
BYD、2027年までに欧州生産開始へ

中国の電気自動車(EV)大手BYD(比亜迪)は、2027年までに欧州での自動車生産を開始する計画を明らかにした。同社は現在、欧州向けに中国からEVを輸出しているが、現地生産への移行を加速させる。この動きは、欧州連合(EU)が中国製EVに対する関税を引き上げる方針を示していることを受けたものだ。

BYDの欧州戦略と生産計画

BYDの欧州事業責任者であるマイケル・シュー氏は、ドイツの自動車業界誌『アウトモビル・ヴォッヘ』のインタビューで、2027年までに欧州で自動車を生産する計画を語った。同氏は「私たちは欧州市場にコミットしており、現地生産はその重要なステップだ」と述べている。BYDは既にハンガリーに工場を建設中で、2025年末には生産開始を予定している。さらに、トルコでも工場建設を検討しており、欧州全体での生産能力を拡大する方針だ。

EUの関税引き上げとBYDの対応

EUは中国製EVに対する関税を現在の10%から最大25%に引き上げる提案を検討している。これは、中国政府によるEV産業への補助金が不当な競争優位をもたらしているとの見方に基づく。BYDはこの関税引き上げを回避するため、欧州での現地生産を急いでいる。シュー氏は「関税は私たちのビジネスに影響を与えるが、現地生産によってその影響を軽減できる」とコメントしている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

欧州市場での販売実績と目標

BYDは2023年に欧州で約1万5000台のEVを販売した。2024年には販売台数を倍増させる目標を掲げており、2025年までに欧州市場で5%のシェアを獲得することを目指している。同社は現在、欧州19カ国で販売網を展開しており、2024年末までに30カ国以上に拡大する計画だ。BYDの欧州でのラインナップは、SUVの「ATTO 3」やセダンの「SEAL」など5モデルで、今後さらに新型車を投入する予定である。

競合他社との比較と業界への影響

BYDの欧州進出は、テスラやフォルクスワーゲンなど既存のEVメーカーにとって脅威となる。BYDは垂直統合型のビジネスモデルにより、バッテリーから車両まで自社生産しており、コスト競争力で優位に立つ。一方で、欧州でのブランド認知度やアフターサービスの整備が課題となっている。シュー氏は「私たちは高品質な製品と競争力のある価格を提供する。欧州の消費者に私たちのブランドを認知してもらうことが重要だ」と述べている。

今後の展望と課題

BYDの欧州生産計画は、地政学的リスクやサプライチェーンの構築など、多くの課題に直面している。しかし、同社は中国市場での成功を基に、グローバル展開を加速させている。2023年のBYDの世界販売台数は約302万台で、そのうちEVは約157万台と、テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなった。欧州での現地生産が軌道に乗れば、さらなる成長が期待される。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ