中国の電気自動車(EV)大手比亜迪(BYD)は2024年、世界販売台数で米テスラを上回ったものの、収益性の面では依然として課題を抱えている。同社の2024年第4四半期の純利益は前年同期比で減少し、利益率の低下が顕著となった。
販売台数でテスラを逆転
BYDの2024年の世界販売台数は約425万台に達し、テスラの約180万台を大きく上回った。特に中国市場での販売が好調で、同社のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の合計販売は前年比で約40%増加した。しかし、利益率はテスラの約18%に対し、BYDは約6%と低迷している。
収益性の低下要因
収益性低下の主因は、中国国内での価格競争の激化だ。BYDは市場シェア拡大のため、一部モデルで値下げを実施。これにより販売台数は伸びたが、1台あたりの利益が圧迫された。また、欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税を検討していることも、今後の収益に影を落とす。
BYDの王伝福(ワン・チュアンフー)会長は「2025年は海外市場での拡大を加速し、収益性の改善を図る」と述べている。同社は既にハンガリーやブラジルに工場を建設中で、現地生産による関税回避とコスト削減を目指す。
地域別の課題
欧州市場では、BYDのシェアは約2%と低く、ブランド認知度の向上が急務だ。また、米国市場への参入は関税や規制の壁が高く、現時点では計画がない。一方、東南アジアや中東では販売を伸ばしており、2025年にはインドネシアでも生産を開始する予定だ。
アナリストは「BYDの販売台数はテスラを上回ったが、収益性でテスラに追いつくには時間がかかる」と指摘する。同社の2024年の営業利益率は約4%で、テスラの約10%を下回る。
今後の見通し
BYDは2025年、高級車ブランド「仰望(ヤンワン)」の販売強化や、自動運転技術の向上に注力する方針だ。また、バッテリー事業の外販も拡大し、収益源の多様化を図る。市場では、BYDの2025年の販売台数が500万台を超えるとの予測もある。



