電気自動車(BEV)を購入する人には、年収よりも住居形態や太陽光パネルの有無といった条件が強く影響することが、インテージの自動車アナリスト三浦太郎氏の統計モデル分析で明らかになった。新車購入者全体におけるBEV購入率は2~3%と低いが、特定のペルソナでは購入確率が大きく異なる。
6つのペルソナでBEV購入確率を推計
三浦氏は、BEV新車購入者1577名の属性分布を基に、6つのペルソナを設定。住居形態、太陽光パネルの有無、先進性への意識、世帯年収、年代を組み合わせ、各ペルソナのBEV購入確率を推計した。
- A:テック富裕層 – 最も購入確率が高い
- B:エコ志向シニア – 次いで高い
- C:マンション住まいの高年収層 – 平均的
- D:地方戸建てファミリー – 平均的
- F:賃貸マンションの若年層 – 最も購入確率が低い
「C」と「D」は市場平均(2~3%)とほぼ同じ水準だった。一方、最も低かった「F」は、充電環境の制約が大きい賃貸マンション居住の若年層で、購入確率は極めて低い。
デシル分析でモデルを評価
三浦氏は、モデル評価に「正解率」を用いず、デシル分析を採用。理由として、実世界のBEV購入率が3%未満であるため、全員を「BEVを買わない」と予測しても正解率97%になってしまい、識別能力を測れないからだ。デシル分析では、モデルスコアが高い層ほど実際の購入率が高いことを確認した。
分析からは3つの発見があった。第一に、住居形態(戸建てかマンションか)が購入確率に大きく影響する。第二に、太陽光パネルの設置がBEV購入と強い相関を示す。第三に、年収よりも「先進性への意識」が購入を促進する要因であることだ。
三浦氏は「BEV購入には、年収だけでなく、充電環境や環境意識が重要。マーケティング戦略では、これらの要素を考慮したペルソナ設定が有効」とコメントしている。



