東京都は、2027年度からAIチャットボットを活用した行政手続きの24時間自動化を段階的に導入する方針を明らかにした。住民票の写しや各種証明書の申請など、約200種類の手続きが対象となり、年間約400万件の問い合わせに対応する見込みだ。これにより、窓口業務の負担軽減と住民サービスの向上を図る。
AIチャットボットの導入背景と目的
東京都は、行政手続きのデジタル化を推進しており、今回のAIチャットボット導入はその一環。現在、都民からの問い合わせの多くは電話や窓口で対応しているが、時間外の対応が難しく、業務効率の面でも課題があった。AIチャットボットを導入することで、24時間365日、自動で手続きの案内や申請を受け付けることが可能になる。
東京都デジタルサービス局の担当者は、「AIチャットボットにより、都民がいつでもどこでも手続きできる環境を整えたい。また、職員の負担を減らし、より複雑な業務に集中できるようにする」と述べている。
対象手続きとスケジュール
対象となる手続きは、住民票の写しや印鑑証明書、所得証明書などの各種証明書の申請のほか、保育園の入園手続きや税務関連の手続きなど約200種類。2027年度から段階的に導入を開始し、2030年度までに全ての対象手続きでAIチャットボットによる自動化を完了する予定だ。
導入にあたっては、まずは一部の手続きで試験運用を行い、精度や利便性を検証する。その後、順次対象を拡大していく方針。東京都は、年間約400万件の問い合わせがAIチャットボットで処理できると見込んでおり、これにより窓口業務の約3割を削減できると試算している。
技術的な仕組みとセキュリティ
AIチャットボットは、自然言語処理技術を活用し、都民からの質問を理解して適切な回答を生成する。また、個人情報を扱う手続きについては、本人確認を強化し、セキュリティを確保する。具体的には、マイナンバーカードを用いた電子認証や、生体認証などの導入を検討している。
東京都は、AIチャットボットの開発を複数のIT企業と連携して進めており、2026年度中にプロトタイプを完成させる予定。また、システム障害や誤作動に備え、バックアップ体制も整える。
住民への影響と今後の展望
AIチャットボットの導入により、都民は24時間いつでも手続きが可能になるため、仕事や子育てで忙しい人々にとって利便性が向上する。また、窓口の混雑緩和にもつながると期待される。一方で、高齢者やデジタル機器に不慣れな人々へのサポートも必要で、東京都は対面相談窓口を維持しながら、デジタルデバイド対策も進める方針だ。
東京都デジタルサービス局は、「AIチャットボットはあくまで補助的な手段であり、対面や電話での対応も引き続き行う。全ての都民がストレスなく行政サービスを利用できる環境を目指す」とコメントしている。
今回の取り組みは、他の自治体にも波及する可能性があり、日本の行政サービスのデジタル化を加速させる一歩となるだろう。



