メローニ首相の長期政権、実は経済政策で「何もしていない」ことが成功の秘訣か
メローニ首相長期政権、経済政策「何もせず」が成功の秘訣

イタリアのジョルジャ・メローニ首相が、事前の予想に反して長期政権を維持できている理由は、経済政策で「何もしなかった」ことにあると、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介主任研究員が指摘する。

メローニ政権、なぜ短期崩壊しなかったのか

メローニ首相は、かつてのファシスト党の流れをくむ政治団体出身で、率いる右派政党「イタリアの同胞」(FdI)は極右的な性格を持つとされる。就任当初は、政治家としての経験の浅さや連立政権内の主導権争いから、政権は短期間で崩壊するとの観測が強かった。しかし、実際には安定した政権運営を実現している。

土田氏は「メローニ首相が何か目立つようなことをしたわけではないという点が重要ではないか」と述べる。つまり、大胆な改革や急進的な政策を避け、現状維持に徹したことが、かえって政権安定につながったという分析だ。

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経済政策では「何もしていない」

メローニ首相は経済面でも実質的に目立った政策を実行していない。財政拡張は景気が下振れしたときに行うべきものだが、メローニ政権は積極的な財政出動を控え、結果的に市場の信頼を維持した。土田氏は「何もしないメローニ首相」と評し、対照的に「何でもしたがる高市首相」と比較している。

この「何もしない」戦略が、イタリアという難しい政治環境の中で、政権の長期化に寄与した可能性がある。メローニ首相は、経済政策でリスクを取らず、安定を優先することで、連立内の対立を最小限に抑えたとみられる。

財政拡張は景気下振れ時に行うべき

土田氏は、財政拡張政策は景気が悪化したときに限るべきだと指摘。メローニ政権はこの原則を守り、無理な景気刺激策を避けたことが、結果的に財政規律を維持し、国際的な信認を得ることにつながった。

一方で、同氏は日本の高市早苗経済安全保障担当相(当時)の積極財政路線との違いを強調。高市氏が様々な政策を打ち出すのに対し、メローニ氏は「何もしない」ことで安定を図ったと分析している。

今後の展望

メローニ首相の長期政権は、経済政策の「無為」が功を奏した事例として注目される。ただし、この戦略が今後も有効かどうかは不透明だ。イタリア経済の構造問題や欧州連合(EU)との関係など、課題は山積している。土田氏の分析は、政治リーダーシップの新たな形を示唆している。

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