「めんどくさい」は本能だった―精神科医が解説
「めんどくさい」という感情は、単なるやる気のなさではなく、人間の本能に根ざしたものだという。精神科医で作家のゆうきゆう氏が、そのメカニズムを解説している。脳にとって「わからない」ことは、そのまま「危険」と判定されるため、人間は新しいことへのチャレンジを避けるようにできているという。
引っ越しを通じて見える脳の反応
ゆうき氏によると、ある友人が仕事の都合で引っ越すことになった際、当初は「まあ、行けばなんとかなると思う」と前向きだったが、日が近づくにつれて「役所の手続きがめんどくさい」「土地勘がないのが不安」「スーパーとかどこにあるかもわからないし、いちいち調べるのが面倒」と愚痴が増えたという。引っ越し準備はギリギリまで進まず、「なんでこんなに気が重いんだろう」と悩んでいた。
知らない街は、脳にとって「どこが安全かわからない」「何が普通かわからない」「困ったときの逃げ道が見えない」という状態であり、すべてが「危険」と判断される。今住んでいる街での無意識の行動が、引っ越しによってリセットされ、脳はそれを「大きくエネルギーを消費するイベント」として認識する。そのため、実際に大変になる前から引っ越しがめんどくさく感じられるのだ。
引っ越し準備と判断コスト
引っ越し準備の段階でも、脳は嫌がる。段ボールへの荷物詰め、部屋の片付け、住所変更手続き、土地の事前調査など、一つひとつは大した作業ではないが、脳はこれらを「判断コストの塊」と捉える。判断を伴う行動は脳に負荷をかけ、先送りしたくなるという。
ゆうき氏は、このような本能を理解することで、めんどくさいと感じる自分を責めず、小さなステップに分けて行動することが大切だと述べている。



