グーグルAI検索、岩手の企業が「事業停止」と誤情報 参照元の岩手日報も憤り
グーグルAI検索、岩手の企業が「事業停止」と誤情報

グーグルのAI検索サービス「AIモード」で今月、岩手県矢巾町の繊維製品卸会社「岩手繊維」が「事業を停止し、特別清算の開始決定を受けました」との誤った情報が表示された。参照元として「岩手日報の報道によると」と記載されていたが、地元紙の岩手日報はそのようなニュースを報じていなかった。生成AI(人工知能)がもっともらしく誤った回答をしてしまう「ハルシネーション」の可能性が指摘されている。

誤情報の内容と影響

岩手繊維の渡部義孝専務によると、今月10日にグーグル検索のAIモードで自社に関して質問したところ、「経営に行き詰まりました」などとの回答が表示された。実際には会社は事業を継続しており、誤った情報だった。これまでに顧客や取引先から「倒産したとの情報がネットで出ている」といった連絡が数十件寄せられ、心配して直接会社を訪ねてきた人も4人いたという。渡部専務は「金銭的被害はないが、信用を傷つけられた。グーグルには憤りを感じる」と話した。

岩手日報の見解

岩手日報は16日、朝日新聞の取材に対し、紙面でもオンラインサイトでも「岩手繊維が事業停止した」などとする報道はしていないと回答した。同紙は13日付で「繊維製品卸売業がAI誤情報被害、Google検索で表示」とする記事を配信。八重樫卓也経営企画室長は「極めて遺憾。グーグル社に対しては、誤表示の即時是正と再発防止を強く求めている」とコメントした。

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AI検索の仕組みと課題

AIを使った検索は、AIがネットや外部のデータベースから関連情報を集め、要約した文章を示す仕組みだ。便利な一方で、集めたデータの解釈や組み合わせを間違えたり、参照元の情報の誤りや偏りが回答に反映されたりすることで、誤情報を生成するハルシネーションが起こりうると指摘されている。慶応義塾大学の津田正太郎教授(メディアコム研究所)は、7月16日17時時点でグーグルの検索結果に誤表示が確認されなかったことから、連絡を受けて訂正された可能性を指摘している。

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