富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は10月22日、「FMV 2026年冬モデル新製品発表会」を開催し、ノートPCの新ラインナップを一挙に発表した。発表会では、世界最軽量約634gの「FMV Note U」をはじめ、学生との協創プロジェクト「Enter」の立ち上げや、周辺機器「FMV Accessory」の本格展開も発表された。
「日本の暮らし」から考えた製品開発
発表会で登壇したFCCL代表取締役社長の大熊武士氏は、同社の実績と開発理念を説明。FMVは店頭向けPC市場で3年連続シェアナンバーワンを獲得し、2025年度にはWeb販売を含む国内コンシューマー市場全体でもナンバーワンを達成したとアピールした。
大熊社長は「パソコンの価値はCPUやメモリといった数字のスペックだけで決まるものではない」と強調。満員電車での持ち運びやすさ、限られた住環境やデスクスペース、日本独特の働き方・学び方など、日々の暮らしの中に存在する不便や可能性を見つめることが開発の原点だと語った。
同社が掲げる「メイドインジャパン」は、単なる国内製造ではなく、企画・開発から製造、販売、サポートまでを国内で完結させ、顧客の声を迅速に製品へ反映する仕組みを指す。この強みを活かし、市場環境の変化に迅速に応える製品作りを推進する方針を示した。
2026年冬モデルのノートPCラインナップ
商品企画部の林部圭司氏から、2026年冬モデルの新製品が紹介された。14型モバイルノートPC「FMV Note U」は、最軽量で約634gの重量を維持しつつ、バッテリー稼働時間を従来モデル比107%に延長。タッチパネル搭載モデルやバッテリー交換対応モデル、KDDIの「ConnectIN povo」に対応した5Gモデルなど、多様なニーズに応えるモデルとして進化した。
また、11月3日公開の映画「ゴジラ-0.0」とコラボした限定モデル「FMV Zero GODZILLA EDITION(WU3G-L3)」も発表された。天板、トラックパッド、ACアダプター、壁紙などにゴジラがデザインされている。
「FMV Note C」は、アルミ切削の筐体や触感塗装を施した底面カバーなど、見た目と手触りにこだわったモバイルノートPC。天板をカスタマイズできるクリアカバーが用意され、ステッカーや写真を挟む・貼ることができる。直販サイト限定で、イラストレーターの長場雄氏とのコラボモデルも登場。天板には3種類の書き下ろしイラストが採用され、壁紙や専用ケースも用意される。
「FMV Note M」は、長く使えることをテーマに開発され、バッテリーパックの交換に対応。MIL規格の耐久試験とFMV独自の耐久試験を実施し、堅牢な作りとなっている。「FMV Note A」は、今回発表された中で唯一のA4サイズのノートPCで、光学ディスクドライブを搭載。写真や動画をディスクメディアに保存・バックアップするユーザーの声に応える仕様だ。
今回発表されたラインナップはすべてCopilot+PCの要件を満たすAI PCで、長く使いたいという声に応え、進化するAIを活用できる性能を備えている。
周辺機器「FMV Accessory」の展開
PC本体に加え、周辺機器として「FMV Accessory」が新たに展開される。プロダクトマネージメント本部ペリフェラル総括部開発部マネージャーの和田貴之氏は「日本の暮らしに寄り添いながら、限られた空間を快適なワークスペースへ変えることを目指して開発した」と語る。
「FMV Keyboard X」は、打鍵感やキーサイズ、キーピッチなどの使い心地を追求しつつ、筐体を極限まで小さくすることで小さなデスクでも快適に利用できる。23.8型フルHDディスプレイ「FMV Display V」は、アーム型のフラッグスタイルのスタンドを用意し、モニターを壁面に近い場所に設置可能。モニター下に16インチまでのノートPCを収められる高さを確保し、ワークスペースを広く使える。
FMV Keyboard Xには「FMVキーボードマイスター」の藤川英之氏が監修した3種のアクチュエーション調整機能があり、FMV Mouse Xは手の大きさに関わらず持ちやすいサイズやボタン配置に加え、ユーティリティソフトで各種ボタンの機能を変更できる。
学生支援プロジェクト「Enter」開始
FCCLは、学生の今とその先を研究するプロジェクト「Enter」を開始すると発表した。学研教育総合研究所と共同で始動し、前身は2025年に発売された初代FMV Note Cと同時にスタートした「GOOD CAMPUS LIFE Project」。AIの普及に伴う環境変化や学生の暮らし・学びについて、より深く理解する必要性を感じて立ち上げられた。
Enterの活動第一弾として実施した学生アンケートでは、「高校生の頃よりも、大学生になってPCを利用する頻度、時間が増えた」一方、「スマートフォンの操作に自信はあるが、PCの操作には自信がない」など、デジタルネイティブと呼ばれる現役学生でもPCの習熟度が変化していることが明らかになった。
Enterのアドバイザーを務める青山学院大学教育人間科学部教育学科教授の益川弘如氏は「AIが答えを見つけてくれる時代だからこそ、PCをはじめ、デジタル技術を正しく扱えるスキルが求められる時代になっている」と、デジタル活用の重要性を語った。調査・研究の結果は、今後のFCCL製品やサービス、サポートに活かされるほか、PC以外の分野や社会に対しても新たな価値観の創造に活用される方針だ。