デジタル庁は、マイナンバーカードの普及と利活用促進に向けた新たな戦略を公表した。2024年度中に健康保険証としての機能を一体化し、さらに運転免許証との連携を進めることで、カードの所持率を50%以上に引き上げる目標を掲げている。これにより、行政手続きのデジタル化を加速させ、国民の利便性向上を図る。
健康保険証との一体化で医療現場も変革
マイナンバーカードと健康保険証の一体化は、2024年秋から本格的に開始される予定だ。これにより、医療機関での受付時にマイナンバーカードを提示するだけで、保険資格の確認が可能となる。デジタル庁の担当者は「医療現場の負担軽減と、患者の待ち時間短縮に大きく寄与する」と述べている。また、薬局での処方箋情報の共有もスムーズになり、重複投薬の防止にもつながると期待されている。
運転免許証との連携でさらなる利便性
運転免許証との連携については、2024年度中に実証実験を開始し、2025年度以降の本格運用を目指す。連携が実現すれば、免許証の更新手続きや住所変更がマイナンバーカードで完結できるようになる。デジタル庁の戦略では、免許証情報をマイナンバーカードに搭載することで、カード1枚で複数の公的証明書として機能させることを目指している。これにより、国民は財布の中のカード枚数を減らすことができ、利便性が飛躍的に向上する。
普及率向上の課題と対策
2024年3月時点でのマイナンバーカードの所持率は約45%にとどまっている。デジタル庁は目標達成に向けて、市区町村と連携した出張申請サポートや、スマートフォンでの申請手続きの簡素化を進める。また、カードのセキュリティ面での不安を解消するため、不正利用防止策の強化や、紛失時の対応手順の明確化にも取り組む。デジタル庁の担当者は「国民のプライバシー保護と安全性を最優先に、着実に普及を進めていく」と強調した。
今後のスケジュールと見通し
デジタル庁は、2024年度中に健康保険証一体化の本格運用を開始し、運転免許証連携の実証実験をスタートさせる。2025年度には運転免許証連携の本格運用を目指し、2026年度までにカード所持率60%を目標とする。さらに、将来的にはパスポートや学生証などとの連携も視野に入れており、マイナンバーカードを「デジタル社会のパスポート」として位置づけている。



