最適な睡眠時間は年齢で変わる
2026年5月にプレジデントオンラインで大きな反響を呼んだ人気記事ベスト3のうち、医療・健康部門第1位は睡眠に関する内容でした。睡眠障害治療の専門家で東京足立病院名誉院長の内山真氏は、「40代以降は週末の寝だめが効かなくなり、長時間睡眠や日中の強い眠気の背景には病気や生活習慣の問題が隠れていることがある。中高年ほど『長く寝ればよい』という思い込みを見直すべきだ」と指摘します。
加齢に伴う睡眠時間の変化
必要な睡眠時間は加齢とともに短くなります。世界の調査研究をまとめると、健康な人の夜間睡眠時間は15歳前後で8時間、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間と、年を重ねるごとに減少します。
40代に入ると、平日に溜まった睡眠負債を週末にまとめて返済できなくなる人が現れます。若い頃は平日に1日1時間の睡眠不足があっても、週末に9.5時間ずつ眠ることで帳尻を合わせられましたが、40代を超えると休日に長く眠ることが難しくなり、8時間程度で起きてしまうようになります。
長時間睡眠に潜むリスク
適正睡眠時間が減るにもかかわらず、長く眠ってしまう中高年もいます。眠りすぎの問題は2つあります。1つは夜の睡眠時間が長くなり生活に支障が出ること。もう1つは夜に十分眠っているのに昼間に眠気に襲われることです。
夜の睡眠時間が延びる原因として、風邪やインフルエンザなど免疫物質が睡眠を促す場合や、うつ病(特に双極症や季節性うつ病)のうつ状態が挙げられます。また、体内時計のずれによって睡眠時間が長くなることもあります。
昼間に眠くなる原因は3つあります。1つ目は夜の睡眠時間が量的に不足している場合。2つ目は睡眠時無呼吸症候群や周期性四肢運動障害などで睡眠が浅くなっている場合。これらは中高年に多く、医師の治療が必要です。3つ目は生活習慣や病気が背景にある場合です。
内山氏は、「自分にとって心地よい睡眠の基準を持ち、長時間睡眠へのこだわりを捨てることが大切」とアドバイスしています。



