永住厳格化で外国人労働者減少懸念 入管庁が年収基準引き上げ案
永住厳格化で外国人労働者減少懸念 年収基準引き上げ案

出入国在留管理庁が、出入国管理・難民認定法に基づく永住許可のガイドライン改定案を公表した。年収基準の引き上げが柱で、10月から適用する。生活保護を受ける永住者を減らす狙いがある。

永住許可の基準が大幅に厳格化

改定案は、申請者の世帯年収が日本人の平均世帯年収を継続的に上回ることを許可の目安とした。さらに、将来受け取ることになる年金額が、平均年収で厚生年金に30年間加入した場合に相当する金額を上回ることも条件に加えた。

総務省の家計調査によると、働く日本人単身世帯の平均年収は約440万円だ。現在の運用では、単身の勤労世帯の場合は年収300万円程度以上が永住許可の目安とも言われるため、基準は大幅に引き上げられることになる。

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生活保護受給率は日本人とほぼ同じ

日本の総人口に占める生活保護受給者の割合は1.6%だ。一方で入管庁によると永住者の受給率は1.9%とほぼ同じだった。

入管難民法は、「独立の生計」を営める人に永住を認めている。このため政府は、生活保護は原則として必要ないはず、との立場で、「受給率は日本人の平均より低くすべきだ」と説明している。

しかし、だからといって永住許可の条件を「日本人の平均年収超」とするのは厳しすぎる感が否めない。外国人労働者の納得を得られるかは疑問だ。

永住者94万人、今後の影響が懸念

永住者は昨年末現在で中国人やフィリピン人など94万人だ。永住資格を得るには10年以上日本に住み、このうち5年以上は「特定技能2号」といった就労可能な資格などで在留する必要もある。

昨年は4万人近くが永住許可を受けた。だが、これまで永住を見据えていた外国人が、働く意欲をそがれることも懸念される。

ルールを守らない一部の外国人に対しては、政界などで反発が出ている。ルール順守は当然のことだが、日本が排外主義に転じたと見られれば、外国人労働者が韓国や台湾などに流れかねない。

政府は一連の厳格化による外国人労働者受け入れへの影響を、丁寧に説明することが重要だ。

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