Google、量子コンピュータ「Willow」で5分問題解決、スパコンで10^25年
Google量子コンピュータ「Willow」、スパコン超え

Googleは現地時間2026年7月3日、最新の量子コンピュータ「Willow」を発表した。同社によると、Willowは従来のスーパーコンピュータで10^25年(1穣年)かかる計算をわずか5分で完了できるという。これは、量子コンピューティングの分野における飛躍的な進歩を示している。

Willowの性能と技術的特徴

Willowは、Googleが開発した新しい量子プロセッサを搭載。同社の量子AIチームを率いるハルトムート・ネベン氏は、「Willowは、量子ビット(qubit)のエラー訂正において、これまでにない性能を達成した」と述べている。具体的には、量子ビットの数を増やすことでエラー率が指数関数的に低下することを実証。これは、量子コンピュータの実用化における最大の課題の一つとされてきた。

Googleは、Willowの性能をベンチマークテスト「Random Circuit Sampling(RCS)」で検証。その結果、Willowは最新のスーパーコンピュータ「Frontier」でも10^25年かかる問題を、わずか5分で解いた。ネベン氏は「これは、量子コンピュータが古典的なコンピュータを凌駕する『量子超越性』を示す最も強力な証拠だ」とコメントしている。

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エラー訂正の画期的な進歩

量子コンピュータの最大の課題は、量子ビットのエラー率の高さにある。従来、量子ビットを増やすとエラーも増加するため、実用的な計算は困難だった。しかし、Willowは「表面符号(surface code)」というエラー訂正手法を改良し、量子ビット数が増えるほどエラー率が低下することを実証。これは、論理量子ビットあたりのエラー率が、物理量子ビットの増加に伴い指数関数的に減少することを意味する。

Googleの研究チームは、105個の物理量子ビットからなるWillowプロセッサで、エラー訂正のベンチマークを実施。その結果、量子ビット数を増やすことで、論理量子ビットの寿命が大幅に延びることを確認した。ネベン氏は「この成果は、実用的な量子コンピュータの実現に向けた重要なマイルストーンだ」と強調した。

実用化への道筋

Willowの登場により、量子コンピュータの実用化が現実味を帯びてきた。Googleは、Willowをクラウドサービスとして提供する計画を発表。企業や研究機関が量子コンピュータを利用できる環境を整える。具体的には、Google Cloud Platform(GCP)を通じて、Willowの計算能力を提供する予定だ。

さらに、GoogleはWillowの応用分野として、創薬、材料科学、暗号解読、気候変動モデリングなどを挙げている。ネベン氏は「量子コンピュータは、これらの分野で革命をもたらす可能性がある。Willowはその第一歩だ」と述べている。

競合他社との比較

量子コンピュータ開発競争は激化しており、IBMやMicrosoft、Intelなども独自の量子プロセッサを開発している。IBMは2025年に「Condor」という1000量子ビット超のプロセッサを発表。しかし、エラー訂正の面では、GoogleのWillowが先を行く。Microsoftは「マヨラナ粒子」を用いたトポロジカル量子ビットの開発を進めており、2027年までに実用的な量子コンピュータを目指している。

一方、Intelはシリコン量子ビット技術に注力。2026年には「Tunnel Falls」という12量子ビットのプロセッサを発表した。しかし、いずれの企業も、Willowのようなエラー訂正のブレークスルーは達成していない。

今後の展望

Googleは、Willowの次のステップとして、より多くの量子ビットを搭載したプロセッサの開発を計画。目標は、100万量子ビットを超える実用的な量子コンピュータの実現だ。ネベン氏は「Willowはその基盤となる技術を提供する。今後数年のうちに、量子コンピュータが社会に貢献できるようになるだろう」と語った。

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量子コンピュータの実用化は、多くの課題を残しているが、Willowの成果はその可能性を大きく前進させた。Googleの発表は、量子コンピューティングの歴史における転換点となるかもしれない。