経営者が知らない「OWASP Top 10」の盲点
AI攻撃が高度化する現代、企業のサイバーセキュリティ対策はかつてない重要性を増している。しかし、多くの経営者は技術者にとってのバイブルとも言える「OWASP Top 10」を理解していない。これは、アプリケーションセキュリティにおける最も重大なリスクを10項目にまとめたもので、経営者がこれを知らなければ、適切な投資判断やリスク管理ができないと指摘するのは、アスタリスク・リサーチ代表取締役の岡田良太郎氏だ。
自社のリスクを点検するチェックリスト
OWASP Top 10の各項目を自社の状態に照らし合わせるためのチェックリストが公開されている。経営者はこのリストを活用し、自社の弱点を一つずつ確認すべきだ。例えば、インジェクション攻撃や認証の不備、機密データの露出など、具体的なリスクを洗い出すことで、対策の優先順位が明確になる。
経営者とエンジニアで「同じ地図」を広げる
岡田氏は、「自社の既存の問題が明らかになったら、OWASP Top 10を参考に自社の“リスク地図”として整理し、経営とエンジニアで一緒にその地図を広げて果敢な対応を始めることだ」と強調する。自動化できる部分はAIに任せれば良いが、根本的な脆弱性の修復は人間の手で行う必要がある。経営者の事業への解像度と技術者の技術の解像度を突き合わせることで、組織の会話は変わり、効果的なセキュリティ対策が可能になる。
今すぐ手をつけるべき「傷んだ柵」
「自社の柵で、いちばん傷んでいる1枚はどこか。その補修は今、誰の受け持ちになっているか。経営者は、それがまだ『あなたのもの』であるうちに、手をつけておきたい」と岡田氏は警鐘を鳴らす。AI攻撃への対応に目を奪われる前に、まずは自社の基礎的なセキュリティ対策を見直すことが急務だ。
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