米Microsoftが、WindowsにおいてUnified MemoryのGPUへの割り当て量をユーザーがカスタマイズできる機能をテストしていることが分かった。これは、急速に増大するAI処理のメモリ需要に対応するためのものだ。
開発中ビルドで確認された新設定項目
XユーザーのXeno氏の投稿によると、Windows Insider ProgramのExperimental Channel(Future Platforms)で配信されている「Build 29648.1000」上で、設定項目が確認された。設定変更後の数値から推測すると、GPUに優先的に割り当てられる「Dedicated GPU Memory」に該当する設定項目のようだ。
Windowsでは、メモリは「CPU Reserved Memory」「Shared GPU Memory」「Dedicated GPU Memory」の3つのカテゴリーに分類される。Dedicated GPU MemoryはGPUが専有できるメモリで、GPUカードに搭載されたメモリや、iGPUのようにCPUと一体化した構造の場合にメインメモリの一定量が割り当てられ、画面描画などに使用される。
メモリ割り当ての基本構造と変更の影響
予約分のメモリを除いた後、その約半分ずつがCPU Reserved MemoryとShared Memoryにそれぞれ割り当てられる。前者はCPU専用メモリで、後者のShared GPU MemoryはCPUとGPUが共有し、用途に応じて割り当て量を変更する形で利用される。Shared GPU Memoryがメインメモリの半分程度となっているのは、CPUの安定動作のためのWindowsの基本的な仕様だ。
使用量が変動するShared GPU Memory内でのGPUの割り当て量とは逆に、GPUの安定動作のためにDedicated GPU Memoryの割り当て量を増やすという機能を持つプロセッサがある。例えば「AMD Ryzen AI Max+」のようなAPUの場合、Unified Memoryの領域を使って「VGM(Variable Graphics Memory)」という機能が利用できる。これは主にAI用途を想定してDedicated GPU Memoryをカスタマイズする機能だ。
AMDのFAQに掲載された例では、128GBのUnified Memoryを持つシステムで、本来は512MBだったDedicated GPU Memoryの割り当てが、カスタマイズ後は96GBがそれに割り当てられ、残りの32GBをCPUとSharedでそれぞれ16GBずつ割り振る形となる。
Unified Memoryの割り当てと今後の見通し
ここで分かるのは、Unified MemoryをDedicated GPU Memoryに割り当てた場合、残りのメモリがメインメモリとして処理され、前述のWindowsの基本的な動作である「CPUとSharedで50%ずつ」という形で分割されていることだ。基本的にはVGMのような機能でもその原則は変わらないようだ。
Microsoftがテスト中の機能が正式に実装されれば、Windows環境でもローカルLLMなどのAI処理を効率的に実行するためのメモリ設定が可能になる可能性がある。今後の展開が注目される。



