関西電力が米データセンター(DC)大手サイラスワンと共同で、大阪府箕面市に大規模なDCを新設することがわかった。今秋以降に着工し、完成は2029年頃を見込む。生成AI(人工知能)の急速な普及を背景にデータ通信需要は拡大しており、関電はDCの拠点数を増やし、新たな収益源にしたい考えだ。
箕面市に「ハイパースケールデータセンター」建設へ
箕面市東部の川合・山之口地区に、「ハイパースケールデータセンター(HSDC)」と呼ばれる大規模DCの建設を計画する。4階建てで、延べ床面積は約3万平方メートルという。
関電とサイラスワンは23年、HSDCの開発・運用を行う合弁会社を設立。24年に第1号案件として、京都府精華町にHSDCを建設すると発表した。箕面市は、これに続く計画となる。
需要拡大に対応、電力供給のノウハウを活用
大容量のデータを処理するHSDCは、「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業を中心に、需要拡大が見込まれる。施設の運営には大量の電力を安定的に確保することが不可欠で、関電にとっては電力供給や立地の選定で自社のノウハウを活用することができる。
関電とサイラスワンの合弁会社は30年代前半までに1兆円以上を投じ、総受電容量で原子力発電所1基分の出力に相当する900メガ・ワット分のDC新設を目指す。
さらに、関電は通信子会社オプテージを通じ、規模が小さく、オフィスビル内に整備する都市型DCなどの開発・運営も手がける。DCは企業や自治体のシステムの管理、クラウドサービスにも使われ、関電は多様なDCを展開し、幅広い顧客の取り込みを図る。
関西で相次ぐDC新設、住民説明も
DCはデータの利用場所に近いほど処理の遅延が少なくなるため、関西では企業が集積する大阪府を中心に新設が相次いでいる。KDDIは今年1月、堺市のシャープ工場跡地で操業を開始。NTTデータグループも大阪府茨木市で、27年度中の稼働を目指す。
一方、DCの建設予定地では、環境への影響や騒音などを懸念した周辺住民が計画に反発する例もある。
主要なDC事業者で構成する「日本データセンター協会」が今年5月に策定したガイドラインは、計画段階から自治体や住民に丁寧な説明を行うことを推奨している。関電も箕面市のHSDC計画について、住民向け説明会を行うなどして理解を求めるという。



