日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、人材不足と既存のレガシーシステムが大きな課題となっていることが、東洋経済の調査で明らかになった。調査は2024年1月に実施され、国内主要企業500社を対象にした。
人材不足が最大の障壁
調査によると、DX推進の障壁として「DX人材の不足」を挙げた企業は全体の68%に上った。特に、AIやデータ分析の専門人材が不足していると回答した企業が多く、デジタル技術に精通した人材の育成・確保が急務となっている。
また、「既存システムの老朽化・複雑化」を課題とする企業も52%に達し、レガシーシステムの刷新がDXの足かせになっている実態が浮き彫りになった。特に、基幹系システムの移行に時間とコストがかかることが指摘されている。
DX投資は増加傾向
一方で、DX関連の投資額は前年比で平均15%増加しており、企業のDXへの意欲は高まっている。しかし、投資効果が十分に表れていない企業も多く、戦略の見直しが必要とされている。
調査を担当したアナリストの田中氏は「DXは単なるIT導入ではなく、業務プロセス全体の変革が求められる。人材育成と組織文化の変革が成功の鍵だ」と指摘している。
業種別の取り組み状況
業種別では、製造業と金融業でDXの進展が比較的早い一方、小売業やサービス業では遅れが見られる。特に、中小企業では予算や人材の制約からDXが進んでいないケースが多い。
政府もDX推進に向けた補助金制度を拡充しており、2024年度は前年度比20%増の予算を計上している。補助金の活用を検討する企業も増えているが、申請手続きの煩雑さが課題となっている。
今後の展望
専門家は、DXの成功には経営トップのコミットメントが不可欠だと強調する。また、外部の専門人材の積極的な活用や、クラウドサービスの導入によるレガシーシステムの段階的な移行が有効な戦略とされている。
日本企業のDX推進はまだ途上にあり、人材とシステムの両面での課題解決が急がれる。



