海やプールで水中撮影、夏の思い出を水槽や容器で手軽に残す方法
海やプールで水中撮影 水槽や容器で手軽に

海の日を間近に控え、日本中が本格的な夏の到来を迎えようとしている。暑い日が続く中、海やプールでの水遊びは夏の楽しみの一つだ。プールなどでは撮影可能か事前に確認が必要だが、海や川では思い切り夏の思い出を写真に収めることができる。読売新聞中部支社編集センターの加藤学記者が、水槽や水出し用容器を使った手軽な水中撮影術を紹介する。

水槽や水出し容器で水中撮影に挑戦

今回挑戦するのは、波打ち際や水深が浅い場所での水中撮影。用意するのはアクリル製の水槽や麦茶などの水出し用容器で、これらにデジタルカメラやスマートフォンを入れて撮影する。取材時は台風9号の影響で海が荒れていたため、三重県志摩市にある磯遊び体験施設「海ほおずき」の協力のもと撮影を行った。カメラの設定は、ブレを防止するためにシャッター速度優先モードを選び、連写モードで撮影するのがポイントだ。

「半水面写真」で水上と水中を同時に

まずは水槽にデジカメを入れ、「水上の景色」と「水中の世界」を同時に写し込む「半水面写真」に挑戦。デジカメの多くは背面の液晶モニターの角度が調整できるため、この機能を活用して上から見下ろせるようにセットする。ライブビュー機能を使えば液晶画面で確認しながら撮影可能だ。レンズは大口径のものが推奨される。水面は絶えず動くため、シャッターは連写モードに設定し、多くの写真の中から水上と水中がバランスよく写った一枚を選ぶ。

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水槽を沈めて潜水風写真

次に、水槽にデジカメを入れたまま水中だけを撮影する方法。水槽を水面ぎりぎりまで沈める必要はなく、少し角度をつけるだけで簡単に水中に潜ったような写真が撮れる。水槽は浮力の影響で簡単に動かすことができるため、自由なアングルで撮影可能だ。水中写真では水面が鏡のように写る効果も楽しめる。

スマホは逆さまに入れて撮影

デジカメに続き、スマートフォンでも挑戦。使用するのは水出し用容器で、ポイントはスマホを縦にして逆さまに入れること。レンズが底の位置にあればシャッターボタンが上になり、撮影しやすくなる。撮れた写真が逆さまに表示されることもあるが、画像編集機能で修正できる。別の大きめの容器を使ってスマホを横向きで撮影することも試みたが、シャッターを押すのに苦労したため推奨しない。

撮影時の注意点とアフターケア

プールなどの施設では、撮影機材の持ち込みや撮影自体を禁止している場合があるため、事前に確認が必要。夏の海やプールは日差しが強く暑くなるため、熱中症対策として適時休憩をとり、水分・塩分の補給を忘れずに行う。撮影中は夢中になりがちだが、足元が滑りやすいので注意が必要。紹介した撮影方法では、つまずくとカメラやスマホが水没する恐れもある。特に海での撮影では、気付かぬうちにカメラに海水が付着するため、撮影後は水道水で濡らして絞ったタオルで本体やレンズを拭いておくことが大切だ。

水中写真の歴史と進化

加藤記者は入社後、写真の幅を広げるために水中写真を始め、潜水取材班の一員として活動している。読売新聞の潜水取材は1933年、伊豆の海女を撮影したのが始まりで、加藤記者が水中写真を始めた約30年前は全天候型のフィルムカメラを使用していた。当時は露出計もなく、フィルムを現像するまで撮影の成功・失敗が分からなかった。その後、カメラを水から守る専用の保護ケースが進化し、デジタルカメラの普及により水中写真の成否がその場で確認できるようになった。

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加藤記者が勤務する中部支社管内には、海女漁で有名な三重県の志摩半島があり、何度か同行取材した経験を持つ。水中撮影に加え、陸上では天体観測用の望遠鏡技術を応用した「反射望遠レンズ」で海のきらめきを表現したこともある。このレンズを使うと、光が輪の形になる「リングボケ」が生じる。久しぶりに反射望遠レンズで海女を撮影した写真も掲載されている。

フォトスポット:JR予讃線下灘駅

四国地方北部の海岸線沿いを走るJR予讃線には美しい景色が続く。特に愛媛県伊予市の下灘駅は、周囲に広がる雄大な瀬戸内海と遠くに浮かぶ島々を望める絶景スポットだ。こぢんまりとした無人駅だが、その景色から数々の映画やドラマのロケ地となり、国内外から多くの観光客が訪れる。土日を中心に、懐かしいボディーと豪華な内装が魅力の観光列車「伊予灘ものがたり」も停車する。写真は夏の青々とした海と空の存在感を出すため、広角レンズで水平線が画面中央に来るように撮影された。夕日の時間帯も美しく、駅をシルエットにしたり列車を入れたりと、様々な写真に挑戦してみてほしい。