記録的な酷暑が予想される今年の夏、モバイルバッテリーの発煙・発火事故への警戒が一段と高まっている。高温下での保管や使用が原因となる事故は世界中で年々増加しており、改めてバッテリーの適切な扱い方が求められている。
火災件数は4年連続増加、モバイルバッテリーが最多
消防庁の調査によると、令和7年(2025年)中にリチウムイオン電池等から出火した火災は1,297件にのぼり、令和4年(601件)から4年連続で増加。製品別ではモバイルバッテリーが最多の482件で、令和6年(290件)と比較して約7割増加している。主な出火原因は「外部からの衝撃」や「高温下での使用・保管」が上位を占める。
モバイルバッテリーシェアリングサービス「CHARGESPOT」を運営するINFORICHは、「夏場の猛暑や高温環境下での保管・使用により、内部の化学反応が不安定になりやすく、発火・発煙のリスクが相対的に高まる可能性がある」と懸念。直射日光の当たる車内や高温になりやすい場所への放置は、電池の劣化を早める要因となる。同社は7月9日より公式YouTubeで啓発動画「モバイルバッテリーの安全な取り扱い方法」を公開した。
安全な使用のポイント:室内編
動画では、自宅などでの保管時と外出先での使用時に分けて注意点を紹介。室内では特に直射日光の当たる窓際が危険で、あっという間に温度が上昇する。以下の3点に注意が必要だ。
- 直射日光の当たる場所や真夏の車内など高温になりやすい場所での保管を避ける。
- バッテリーを繋いだままスマホを使う「ながら充電」は大きな熱負荷がかかるので避ける。
- 放熱しにくい布団やソファの上では充電しない。
安全な使用のポイント:外出先編
外出先でも油断は禁物。短時間であっても車内放置は絶対にNG。また、通気性の悪いカバンの中での「蓄熱」にも注意が必要だ。
- 炎天下でのバッグの中や車内など、高温になる環境での放置・使用を避ける。
- 落下させたり強い力を加えたりしないよう丁寧に取り扱う。
- 非純正の充電器・ケーブルを避け、正規品を使用する。
発煙・発火時の対処法
バッテリーが「膨らんでいる」「変な臭いがする」「煙が出た」場合は、絶対に触らず周囲の燃えやすいものを離して速やかに避難する。周囲の人に火災を知らせ、身の安全を確保した上で119番へ通報。モバイルバッテリーは衝撃などにより急に激しく燃え出す場合があるため、無理に近づかず安全な距離を確保。消火には消火器や大量の水を使用し、消防隊到着まで油断しない。
レンタルモバイルバッテリーの利点
INFORICHでは、CHARGESPOTで貸し出すバッテリーは「日本の電気用品安全法(PSE)の基準を満たした製品」を採用。すべてのステーションおよびバッテリーをIoT技術により24時間365日リアルタイムで監視し、異常が検知された場合は速やかに回収・交換する体制を整えている。同社は「モバイルバッテリーを所有する場合、経年劣化や保管環境による品質変化をユーザー自身が管理する必要があるが、借りるスタイルであれば事業者側にリスク管理を委ねられる」とメリットを強調する。暑さがピークを迎える夏、取り扱いに不安があるなら管理の行き届いたレンタルサービスを活用するのも一案だ。



