Siriは、口頭で伝えた命令を実行するiPhoneの音声アシスタントとして広く知られている。2011年に公開されたiOS 5で登場し、すでに15年以上の歴史を持つ馴染み深い機能だ。しかし、iOSにはそれ以前から「音声コントロール」という、言葉で命令を伝える機能も存在している。この2つの機能は、声で命令を伝える点では共通するが、利用目的は似て非なるもの。機能のオン/オフなど扱い方も含め、別物と理解したほうがよいだろう。
Siriの役割:AI秘書としての進化
Siriは、iPhoneをコントロールするための窓口であり、AI機能(Apple Intelligence)への入口でもある。登場当初は音声アシスタントとして、「○時にタイマーをセット」や「○にLINEを送って」など、アプリ横断的な処理を口頭で指示する役割を担っていた。しかし、iOS 26の現在では、Apple Intelligenceとの連携がさらに強化されている。Siriは曖昧な表現も理解できるが、画面をスクロールしたり画面上のボタンをタップしたりといった操作指示には対応しない。
音声コントロールの特徴:画面操作の音声代替
一方、音声コントロールは、指で行う画面操作を声の命令(コマンド)に置き換える機能だ。画面最下部まで一気にスクロールするときは「下までスクロール」、アプリの起動は「(アプリ名)を開く」など、言い回しは決まっており、Siriのような話し言葉では受け付けてくれない。音声コントロールは、テキスト編集時にはカット/コピーを指示するなど細かい操作も可能だが、理解できるのは明確に定められたコマンドのみで、AIのような融通性はない。
両機能の使い分け方
わかりやすく言うと、Siriは「人語を理解する秘書のような機能」で、音声コントロールは「特定の言葉に機械的に反応し決まった処理を実行する機能」である。Siriは曖昧な表現を理解する反面、画面操作には対応しない。音声コントロールは画面操作の細かい指示ができるが、決まったコマンドしか受け付けない。うまく使い分けることが重要だ。例えば、タイマー設定やメッセージ送信などアプリ横断的なタスクにはSiri、画面スクロールやテキスト編集の細かい操作には音声コントロールを使うと効率的である。
著者プロフィール
本記事は、IT/AVコラムニストの海上忍氏が執筆。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作が多数。テクニカル記事からエントリ層向けの柔らかいコラムまで手がける。マイナビニュースでは「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」や「(新)OS Xハッキング!」を連載中。また、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発にも情熱を注ぎ、2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員を務める。



