NTT西日本は2025年1月、老朽化したメタル回線(アナログ電話回線)のサービスを終了し、IP網(光回線)への全面移行を完了する。これに伴い、全国の固定電話ユーザー、特に高齢者や医療機関で電話が不通になるリスクが高まっている。
メタル回線終了の背景と影響
メタル回線は1970年代から使用され、維持管理コストが増大している。NTT西日本は2021年からIP網への移行を進めてきたが、2025年1月の期限までに切り替えが間に合わないケースが相次いでいる。特に、離島や山間部では光ファイバーの敷設が遅れており、電話が使えなくなる可能性がある。
総務省の調査によると、2024年10月時点でNTT西日本のエリア内に約120万のメタル回線契約が残っている。このうち、約30万件が高齢者世帯で、代替手段のないケースが多い。また、医療機関では遠隔診療や緊急連絡に固定電話が使われており、不通となれば患者の命に関わる事態も想定される。
対策と今後の課題
NTT西日本は「移行作業を加速し、影響を最小限にする」とコメントしているが、具体的な対策は遅れている。自治体では、高齢者への訪問説明や代替機器の貸与を検討しているが、予算や人員が不足している。専門家は「国を挙げた支援が必要」と指摘する。
一方、NTT東日本は2024年1月にメタル回線を終了済みで、その際も一時的な不通が発生した。今回の西日本での終了は規模が大きく、影響は全国に及ぶ可能性がある。総務省は「周知徹底と移行支援を強化する」としているが、猶予はわずか2か月だ。



