メルカリがプロ品質保証のリユース専門サイト「m department」開始、高額品の不安解消へ
メルカリ「m department」開始、高額リユース品を品質保証

メルカリは7月14日、プロが品質を保証するリユースサービス「m department(エムデパートメント)」の提供を開始した。同日、メルカリ本社で記者発表会が開かれ、サービス概要や背景が説明されたほか、出店パートナーのソフマップといーふらんが登壇した。

「m department」の概要:メルカリとは別の専用ECサイト

「m department」はフリマアプリ「メルカリ」とは別のWebサービスで、ブラウザから誰でもアクセス可能。メルカリの売上金を購入代金に充てられる。取り扱いは2カテゴリーで、整備済み製品(スマートフォン、タブレット、ノートPC、カメラ・レンズ)と真贋鑑定済みブランド品(バッグ、アクセサリー、財布・小物、腕時計、衣類、シューズ)を展開する。

整備済み製品は専門事業者が独自の品質基準に沿って検査・修理・クリーニングを実施し、全機能の正常動作を確認した商品のみを取り扱う。スマートフォン・タブレットではバッテリー最大容量80%以上を保証し、殺菌・抗菌処理やデータ完全消去・初期化も行う。発送後180日間の動作保証が付帯し、故障時は修理または交換対応。返品はスマートフォン・タブレット・ノートPCが発送後30日以内、カメラ・レンズは同7日以内に受け付ける。

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真贋鑑定済みブランド品は、各ショップの鑑定士がロゴ、縫製、金具、シリアルナンバーなどを1点1点確認し、基準を満たす商品のみを扱う。返品受付期間は発送後10日以内だ。

高額リユース品への不安を「品質保証」で払拭

会見でメルカリ執行役員CPO Marketplaceの篠原孝明氏は、国内リユース市場の成長に言及。2024年時点で前年比4.5%増の3兆2,628億円に達し、15年連続成長。2030年には4兆円規模に拡大する見通し(リユース経済新聞推計)という。中でも携帯・スマートフォン(前年比22.4%増)とブランド品(同15.7%増)が成長率トップ2だ。

メルカリの調査では、約5人に1人が「物価高をきっかけにリユース品の検討が増えた」と回答。一方、直近1~2年のリユース品購入状況では「全く購入していない」が約5割、「ほとんど購入しない」が約2割で、合わせて約7割が購入に消極的だった。理由は汚れ・衛生面への懸念、動作保証や劣化への不安、価格の妥当性、偽物・コピー品への懸念など。特に高額ブランドのバッグ・時計やスマホ・PC・タブレット、家電では約7割が購入に「とても不安」または「やや不安」と回答した。

篠原氏は「内部の劣化や本物かどうかといった、自分では判断しきれない品質への不安が、高額リユース品の購入をためらう大きな障壁になっている」と分析。調査では、リユース品購入時に品質保証が重要かを尋ねたところ、高額ブランドのファッションアイテムで83%、スマホ・PC・タブレットで86%が「とても重要」「やや重要」と回答した。

品質保証は「メルカリ×出店パートナー」の二人三脚、開始時88社参画

「m department」には厳正な出店審査を通過した専門事業者のみが出店可能で、開始時点で整備済み製品・ブランド品合わせて計88社が参画する。メルカリは品質基準・ルールの策定や管理、出店審査を担当し、出店パートナーが専門技術で品質保証の実務や保証・返金対応を担う。

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会見ではソフマップの上村匡希氏(取締役執行役員)といーふらんの久保梨恵子氏(執行役員兼EC事業部長)が登壇した。ソフマップはビックカメラグループで、千葉・南船橋の商品化センターでデジタル機器を一元管理。最大68工程(Windows PCの場合)の品質チェックを行い、年間出荷点数は約60万点以上。iPhoneは22工程のデジタル品質チェックと目視外装確認でランク判定し、A~Dの4段階で「m department」にはA(新品同様)~C(傷はやや目立つが動作・品質には問題なし)かつメルカリ審査通過品のみを出品する。

いーふらんは「おたからや」などを運営。久保氏はブランド新品価格の高騰を例示し、ルイ・ヴィトンの「ネヴァーフル」は2007年発売当初約7万円が、2014年に約14万円、2026年には約29万円(発売当初の約4倍)に達したと説明。同社は国内最大級の1,900店舗の買取網を持ち、海外にも香港・シンガポール・台湾・タイ・インドネシアに進出、2026年中にはオーストラリア出店も予定。独自開発のAI真贋鑑定システムを国内外で運用し、縫製のピッチのずれや金具の質感など人の目では見逃しやすい特徴まで判定する。

今後はカテゴリー拡大、2027年初頭に買取サービス開始予定

篠原氏は「宝探し感覚で掘り出し物を見つけたいときはメルカリ、こだわりのアイテムを納得して選びたいときはm department。それぞれの目的に合わせて最適な買い方を選べるマーケットプレイスに進化させたい」と述べた。今後は取り扱いカテゴリーを拡大し、2027年初頭には買取サービスも開始予定。サービス開始記念として、対象商品購入代金30%OFF(割引上限1万円、条件あり)のwelcomeクーポンキャンペーンを9月30日まで実施する。

会場からの「メルカリモバイルなど自社サービスとの連携は」との質問に、篠原氏は「現時点で発表できる具体的な内容はない」としつつ、連携の可能性に言及した。現状、メルカリ売上金の利用以外の連携は発表されていない。