LINEが、従来の無料メッセージアプリから、ショッピング・課金・決済を統合したプラットフォームへと大きく舵を切る。月間1億ユーザーを誇るLINEは、PayPayとの連携や新たなサブスクリプションプラン、AIエージェントの導入により、ユーザーの消費行動をアプリ内で完結させる戦略を打ち出した。
新たなサブスクリプションプラン「ライトプラン」の投入
LYPプレミアムの総会員数は2549万人(2026年5月末時点)。このうち直接会員666万人を早期に1000万人へ増やし、日本最大のサブスクリプションサービスに育てる方針だ。従来のウェブ版月額508円のプランは「スタンダードプラン」と改称され、アプリのストア決済では月額650円となる。一方、7月中旬以降に投入される「ライトプラン」は月額290円で、対象スタンプ使い放題などLINEの4特典に絞られる。アプリ決済でも290円と変わらない。さらに今秋には、LINE MUSICの通常プラン(月額1080円)にライトプラン特典が付くセットプランも開始予定だ。2026年2月に始めたNetflixとのセットプランは、入会数が計画比170%以上と好調で、セット施策に手応えを得ている。
PayPay連携で消費の回路を閉じる
2026年夏には、LINEと登録ユーザー7400万人を抱えるPayPayのアカウント連携が始まる。トーク上で友だちと金額を指定するだけで送金やグループ割り勘が可能になる。LINEポイントは有効期限のないPayPayポイントへ統合され、ショッピングタブでの買い物やギフトの受け取りでPayPayポイントが貯まる仕組みも提供される。この連携は、LINEヤフーが2023年10月の発足直後から予定していたものだが、情報漏洩問題と総務省の行政指導を経て約3年遅れで実現する。連携により、トークで相談し、ショッピングタブで買い、PayPayで払い、ポイントが戻ってまたLINEで使うという消費の回路がLINE内で完結する。
AIエージェントがもたらす未来
2026年中には、トークルームにAIエージェントを呼び出し、食事のレシート写真から各自の支払額を割り出したり、会話からタスクや予定を整理する新機能「Agent i in chat」が追加される予定だ。嘉戸氏は、AIがユーザーの好みを学習し、商品との出会いを仲介し、購入まで代行する接客の構想をモック動画で披露した。接客機能の実装はまだ先だが、売り場、課金、決済の基盤は2026年中に整う。15年間無料で使われてきたLINEに、ユーザーが財布を開く入り口が現れる。



