KDDI povoが本気でメイン回線狙う、楽天ローミング終了前に品質勝負の一手
KDDI povoがメイン回線狙う、楽天ローミング終了前に品質勝負

KDDIのサブブランド「povo」が、メイン回線としての本格的な普及を目指し、品質と価格の両面で攻勢を強めている。2026年6月25日、povoは「データ使い放題24時間×10回分」のプレゼントキャンペーンを発表。同時に、大容量トッピング「1.32TB(365日間)」を7月1日から提供開始すると明らかにした。

品質の裏付け:Opensignalでauが11部門首位

povoが品質を前面に出せる根拠は、第三者機関による客観的な評価だ。英調査会社Opensignalが2026年4月に公表した日本市場のレポートで、auは全18部門のうち11部門で首位を獲得し、国内携帯大手では最多受賞となった。ネットワーク品質を総合的に測る「一貫した品質」と、接続を維持してタスクを完了する能力を測る「信頼性エクスペリエンス」では、いずれも単独1位を達成。同レポートでの最多受賞は4回連続となる。

povoはau回線を利用しており、契約プランによる速度制限を除けば、auと同じ通信仕様で利用できる。ただし、au向けに提供される5G SA(5G専用設備で構成するネットワーク)には現時点で対応していない。質疑応答でこの点を問われたKDDIの濱田達弥社長は「5G SAは導入を前提に検討を進めている」と述べ、将来的にauと品質をそろえる方向性を示した。

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大容量トッピング:月110GB・3270円で他社に対抗

メイン回線化を後押しするのが、新たに加わる大容量トッピング「1.32TB(365日間)」だ。料金は一括3万9240円で、月あたりに換算すると110GBを3270円で使える計算になる。これはpovoとして過去最大の容量であり、一括払いが負担に感じる利用者には、分割手数料無料の12回払いも用意された。

この月あたり110GB・3270円という設定は、他社の大容量プランの価格帯を意識したものだ。同じ110GBを使えるNTTドコモのahamo大盛りは月4950円、楽天モバイルのデータ無制限プランは月3278円である。povoは、ドコモの大容量プランより安く、楽天の無制限プランとほぼ並ぶ水準に新トッピングを置いた。

容量を110GBとした理由について、KDDI Digital Lifeのカスタマーエンゲージメント部長、葭内生悟氏は「分かりやすい容量と捉えた」と説明した。同じ110GBのahamo大盛りからの乗り換えを検討する層に、比較しやすい数字をぶつけた格好だ。濱田氏は、1.32TBが月単位に縛られず、ある月は50GB、翌月は150GBといった柔軟な使い方ができる点を特徴に挙げた。月額固定ではないというpovoの持ち味を、大容量帯でも残した形だ。

サブスク型トッピングと既存トッピングの整理

あわせて、月0.5GBを600円で使えるサブスク型トッピングも6月19日に追加する。毎月自動で購入されるため、もしもの備えとして持っておきたい利用者に向けたものだ。一方で、現在提供中の「60GB(90日間)」「150GB(180日間)」「300GB(90日間)」は7月31日に販売を終了する。

楽天ローミング終了をにらむ位置取り

povoの今回の施策は、楽天モバイルが2026年秋に予定するパートナー回線(auローミング)の終了をにらんだ動きとみられる。楽天モバイルは自社エリア外でau回線を借りているが、ローミング終了後は一部エリアで通信品質が低下する可能性がある。povoは品質と価格の両面でアピールし、楽天ユーザーの取り込みを狙う。KDDIは、povoをメイン回線として使う層を増やし、収益基盤を強化したい考えだ。

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