KDDI「povo」がメイン回線狙い、110GB3270円の大容量トッピングと品質訴求
KDDI「povo」がメイン回線狙い、110GB3270円の大容量トッピング

KDDIのオンライン専用ブランド「povo(ポヴォ)」が、契約開始から5年を迎え、新たな戦略を打ち出した。基本料0円・トッピング制で知られるpovoは、これまでサブ回線としての利用が中心だったが、今回の施策でメイン回線としての本格的な普及を目指す。

新キャンペーンと大容量トッピング

KDDI Digital Lifeは6月18日の説明会で、2つの新施策を発表した。1つ目は、新規登録者に対して「データ使い放題24時間」を10回分プレゼントするキャンペーン。2つ目は、月あたり110GBを実質3270円で利用できる、過去最大容量のトッピングの追加である。

povoは月額の縛りがなく、基本料は0円。データ容量は「トッピング」として専用アプリから都度購入する仕組みで、使いたい分だけを柔軟に追加できる。通信回線はau(KDDI)そのものを使用しており、大手キャリアと同等の品質を誇る。

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品質勝負で競合を狙う

説明会で濱田達弥社長は、新サービスの説明よりも、他社の通信品質への不満に多くの時間を割いた。社名は伏せつつも、「auの高品質な通信回線を使えるpovoで、お客様のつながらないというお困りを解消したい」と述べ、競合の電波が弱い場面を具体的に指摘。料金や容量ではなく、通信品質を軸にした攻め方を鮮明にした。

povoは2021年9月に「基本料0円・トッピング式」でスタート。当初はサブ回線として受け入れられ、メインのスマホとは別に2枚目のSIMとして利用されることが多かった。eSIM対応でオンラインから最短3分で申し込める手軽さも、2枚目需要と相性が良かった。

楽天ローミング終了前のタイミング

この攻勢は、楽天モバイルが提供するパートナー回線(ローミング)の終了が2026年6月末に迫る中で打ち出された。楽天ユーザーの中には、ローミング終了に伴い通信品質の低下を懸念する声もあり、povoはその受け皿としても期待される。KDDIはau、UQ mobile、povoの3ブランドを展開しており、povoのメイン回線化が成功すれば、グループ全体のユーザー獲得に弾みがつく。

他社ユーザーの不満を自社調査で提示

povoは自社調査の結果をもとに、他社利用者の不満を数字で示した。具体的な数値は明かされなかったが、通信のつながりにくさや速度低下に関する不満が一定数存在することを強調。その解決策として、au回線の安定性を訴求した。

povoのトッピング制は、料理に具を足すように必要なデータを選べる点が特徴。データを使わなければ料金は発生せず、ユーザーの利用パターンに応じた柔軟な選択が可能だ。今回の110GB・3270円のトッピングは、大容量を低価格で提供することで、メイン回線としての利用を促す。

自社ブランドへの影響も

ただし、povoの攻勢は自社のauやUQ mobileにも影響を与える可能性がある。povoがメイン回線として普及すれば、既存のauユーザーが低価格のpovoに移行するリスクも否定できない。KDDIとしては、ブランド間の住み分けを図りつつ、グループ全体の収益を維持する戦略が求められる。

povoは今後も、品質と価格のバランスを武器に、競合他社との差別化を進める方針だ。特に、楽天モバイルのローミング終了後を見据え、新規ユーザーの獲得に注力する。

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