クックパッド新機能「レシピ取り込み」騒動から考える、レシピの価値と著作権の壁
クックパッド新機能騒動から考えるレシピの価値と著作権

今年3月、クックパッドがリリースした新機能「レシピ取り込み」をめぐり、SNS上で大きな議論が巻き起こった。この機能は、ユーザーがSNSや外部サイトで見つけたレシピのURLをクックパッドアプリ内に取り込み、自分用の記録として保存・管理できるというもの。ユーザーにとっては便利な反面、SNSや動画サイトでレシピを発信する料理家たちからは「コンテンツのただ乗りだ」「料理家の仕事に対するリスペクトが足りない」といった批判が相次いだ。

機能の仕組みと批判の本質

取り込んだレシピを閲覧できるのは本人だけだが、元のレシピにアクセスしなくてもよくなれば、PVや広告収入で収益を得ている料理家にとっては死活問題になる。批判を受けてクックパッドは「新機能についていただいたご意見と、今後の取り組みについて」という声明を発表し、機能を見直す方針を示した。

しかし、レシピへのリスペクト不足は今に始まったことではない。以前から「あの料理家のレシピは誰々のパクリ」といった噂が業界内で流れることは珍しくなかった。また、簡単に作れるものと勘違いされ、「ついでにレシピも書いてください」と得意先から無償提供を求められるケースもある。

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著作権がない理由と現場の実情

今回の議論の背景には、レシピに著作権が認められていないという法的な事情がある。著作権法では「アイデア」は保護対象にならず、レシピはアイデアとみなされるからだ。もしレシピに著作権が認められれば、カラオケのように歌うたびに印税が発生するのと同様、レシピを再現するたびに料金が発生する可能性がある。家庭でレシピを使用したかどうかを確認するのは不可能に近く、現実的ではない。

また、料理家がレシピを考案する際、既存の膨大なレシピをすべて調査し、重複がないか確認するのは時間がかかりすぎる。そのため、レシピに著作権があれば、料理家の仕事自体が成立しなくなる恐れがある。

時代の変化とレシピの役割

SNSや動画サイトの普及により、レシピへのアクセスは格段に容易になった。しかしその一方で、レシピを生み出す料理家の努力や創造性が軽視されがちだ。今回の騒動は、レシピの価値と著作権のバランスを改めて問い直すきっかけとなった。

家庭料理においても、レシピは単なる手順書ではなく、料理家の経験や工夫が詰まった知的財産である。今後、テクノロジーの進化とともに、レシピの保護と利便性の両立が求められるだろう。

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