AdobeがCreative CloudにAIエージェント導入、Fireflyも刷新
AdobeがCreative CloudにAIエージェント導入

米Adobeは6月18日(現地時間)、Adobe FireflyおよびAdobe Creative Cloud全体におけるAIアシスタント機能の拡充を発表した。Creative Cloudでは、独自のクリエイティブエージェントを搭載するAIアシスタント機能をPremiere、Photoshop、Illustrator、InDesign、Frame.ioに導入し、パブリックベータ版として提供を開始した。Adobe After Effects向けにはプライベートベータ版として提供する。FireflyのAIアシスタントには、SNSでブランドを構築するクリエイターや個人事業者向けに設計された新しいクリエイティブスキルとツールが追加された。これらの機能拡張は、18日よりWebアプリで利用できる。

これまで生成AIは、主に「画像生成」や「不要なオブジェクトの削除」といった単一タスクを支援する機能として使われてきた。クリエイティブエージェントは、プロジェクト全体を理解したうえで複数ステップにおよぶワークフローを代行し、アプリやプラットフォームを横断して作業をつなぐ(オーケストレーションする)能力も備える。これにより、クリエイターは「ディレクター」として主導権を保ちながら、素材整理や初期設定、反復的で手間のかかる作業をAIに任せることで、構成や表現、クリエイティブな判断により集中しやすくなる。

Creative Cloud各アプリに専門型AIアシスタント

Creative Cloudの各アプリに導入されるAIアシスタントは、それぞれの特性に応じた「スペシャリスト」として動作する。

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  • Premiere: 動画素材の自動分類や一括リネーム、インタビュー音声からの質問特定、タイムラインへのマーカー追加、作業開始ポイントの作成など、準備作業を支援する。
  • Photoshop: バッチ処理による背景削除、各種プラットフォーム向けのアセットのサイズ変更、レイヤーの整理など、ユーザーが求める成果を自然言語で説明すると、アシスタントがコンポジット全体に対して処理を実行する。「これをニューヨークのビルボードに表示したら、どんな感じになるだろう?」
  • Illustrator: スプレッドシートを基にした複数バージョンのファイル生成、ドキュメント全体のレイヤー再編成、印刷前のカラーモードエラーや欠落フォントを検出するプリフライトチェックなど、多段階の制作作業を支援する。「3つのアートボードにまたがる形に拡張し、韓国語版と日本語版にローカライズして。」
  • InDesign: ブランドガイドラインのPDFや既存テンプレートを読み込ませることで、コピー、スタイル、印刷適性チェックを含むレイアウト全体への更新を適用できる。
  • Frame.io: 提示されたクリエイティブディレクションに基づき、撮影アセットの整理、リビジョンごとのフィードバック抽出、Bロールの自動生成などを支援する。

Firefly AIアシスタント、ブランド制作から短尺動画まで支援

クリエイティブエージェントを搭載したFirefly AIアシスタントは、Creative Cloudアプリケーションの機能をFireflyの対話型インターフェイスから利用できるようにするものだ。クリエイターが成果を言葉で説明すると、AIアシスタントがバックグラウンドで多段階のワークフローを実行する。

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ソーシャルクリエイターや個人事業者を主な対象とした新機能には、ブランド名やスタイル、カラーパレットの説明からロゴやブランドアイデンティティを生成するブランドキット作成、商品写真からショート動画を生成する機能、ストーリーボード作成とストーリーボードからの動画生成、素材を自動的に組み合わせて初期編集を作るクイックカットなどが含まれる。自然言語によるアセット検索、ユーザーの作業上の好みの設定、共同作業者の招待にも対応する。

Fireflyのスタジオ体験を刷新、一貫性とコンテキストを保持

クリエイティブAIスタジオとしてのFireflyの体験そのものも刷新する。現在プライベートベータ版として提供される新しい統合型の体験は、生成と編集を同じ場所で扱い、制作の各段階で一貫したコンテキスト、再利用可能なアセット、整理されたワークフローを提供するよう設計されている。

新機能の「エレメント」では、作成済みのキャラクター、場所、オブジェクトを保存し、すべてのAI生成セッションで再利用できる。これにより、ストーリーやキャンペーン、プロジェクトが大規模化しても、ビジュアルの一貫性を維持しやすくなる。「プロジェクト」では、アセット、生成結果、制作上の文脈をまとめて整理・管理し、前回の作業を引き継いだり、過去の成果物をベースに制作を進めたりすることが容易になる。

Adobeは、これらの機能を同社のプラットフォーム内に閉じず、AIエコシステム全体に広げる方針である。AdobeのクリエイティブツールはすでにChatGPT、Claude、Microsoft 365 Copilotなどから利用可能で、Google GeminiおよびSlackへの対応も予定している。