TDKの齋藤昇社長は、AI(人工知能)の普及に伴う需要拡大について、同社が「AI時代にパーフェクトマッチした企業」だと自負する。2026年7月8日に東京都中央区で行われたインタビューで、AI需要の見通しや成長戦略を語った。
AIサーバー市場は2割超成長、スマホは減少
齋藤社長によると、2026年度のAIサーバー市場は前年比2割超の成長を見込む。データセンター向けハードディスクドライブ(HDD)も約7%の成長が見込まれる。一方、スマートフォンやノートパソコンはメモリー半導体の供給不足の影響で、約1割の減少を予想する。AI需要は分野によって濃淡があるという。
「AIエコシステム」全体を支える
齋藤社長は「AIはデータセンターだけではない」と強調する。スマートグラスや自動運転を支える先進運転支援システム(ADAS)など、社会変革を支える幅広い「AIエコシステム」が存在し、TDKはこれらに使われる製品を展開している。さらに、AIに不可欠なデータはセンシング(データ収集)によって初めて生み出されるため、同社の広範なセンサー技術が様々な形でエコシステムを支えると述べた。
データセンターの電力問題にソリューション
AI需要の拡大に伴い、データセンターの消費電力増加が課題となっている。齋藤社長は、TDKの高効率電源や磁性材料技術がこの問題に対するソリューションを提供できると指摘。電力効率の向上に貢献することで、AI時代の成長を取り込む考えだ。
世界展開と歴史
TDKはカセットテープメーカーからグローバル企業に成長し、現在は売上の約9割を海外が占める。齋藤社長は、ロボットなど「フィジカル」な領域でもAIとの融合が進む中、同社のセンサーやアクチュエーター技術が重要になると語った。



