「前にもこのやり方でうまくいった」。そんな成功体験が、かえって新しい挑戦の足を引っ張ることがあります。1000社以上のAI活用を支援してきた経営者は、AI時代に必要なのは経験ではなく客観性だと語ります。本記事では『AIで終わる人 AIで化ける人』(中平健太/ダイヤモンド社)から、その理由を紹介します。
「経験思考」と「客観思考」の違い
AIで終わる人は、「たった1回の成功体験」をすべての事例に当てはめる傾向があります。一方、AIで化ける人は、「数億件の学習データ」を使って自分の偏りを正せます。成功体験や経験はビジネスパーソンにとっては勲章であり、大きな武器となります。しかし、その経験がどこかで足かせになってしまうかもしれません。
著者自身もそんな体験をしてきました。ガラパゴスという会社を創業してから16年の歳月が流れ、この間に新規事業をいくつも立ち上げては潰してということを14回も繰り返してきました。毎回絶対にうまくいくと確信を持って立ち上げるのですが、事業の立ち上げは非常に難しいものです。タイミングが悪かったり、そもそも自分たちにその実力がなかったり、市場の成長性がなかったり、顧客を見失ったり。多くの事業立ち上げの失敗経験をしてきました。
14回の失敗から得た教訓
14回も失敗を繰り返していると、失敗をしない方法が段々と見えてきました。その反省を活かして15回目に挑戦したのが現在のAIR Designというサービスです。この事業は1000社を超えるお客様にご愛用いただき、6年間運営をしています。この成功体験が著者にとってはとても強烈で、自信にもつながっています。
ですが、新規事業チームと新たな事業立ち上げを議論している時に真っ向から意見がぶつかり合いました。著者の経験での事業立ち上げのパターンはこうです。(1)まず、関係しそうな顧客候補50名にヒアリングを行う。(2)その情報の集合の中からペイン(痛み)を見つけ出す。(3)そのペインを解消するソリューションを考えて提案する。AIR Designでの強烈な成功体験があったので、このやり方がすべての事業立ち上げに当てはまると思い込んでいました。
客観性の重要性とAIの活用
しかしながら新規事業チームはその方法を取らず、別の方法で顧客にアプローチをしてダイレクトに受注をして事業の立ち上げに成功していました。この経験があったことで、著者は気付きました。これまでの成功も失敗も経験してきた方法論を新たな事業立ち上げに無理やり当てはめていたんだということに。新規事業は様々な外部要因があり、必ず当てはまるわけではないものに、無理やりパターンをはめようとしていたということに。そして、客観的に意見を言ってくれる存在が近くにいることの重要性を、身をもって知ることとなりました。
一方で、すべての人に客観的な意見を言ってくれる人がいるわけではないのも事実です。ではどうしたら良いのか? そういう時こそ、冷静で冷徹で至極客観的なAIを活用するのが良いのではないでしょうか。
『AIで終わる人 AIで化ける人 「AIが当たり前」の時代を生き抜く20の思考変革』(中平健太/ダイヤモンド社)では、「AIが答える時代」から「動く時代」に――「真面目」な人から終わる。自信のある人こそ詰む。AIで1000社3000名超の働き方を変えた起業家が教える、ITの知識は関係ない、自分を爆発的に進化させる考え方!これからAIがどれだけ進化しても変わらない、「AI以後の時代」を生き抜くための4つのルールと20の思考変革が紹介されています。



