評価額160兆円の「怪物」OpenAI、6.2兆円の赤字の深層 国家予算超え企業はどこへ向かうのか
評価額160兆円の「怪物」OpenAI、6.2兆円の赤字の深層

ChatGPTを開発するOpenAIは、2026年から2027年にかけて新規上場するとみられ、その目標評価額は日本円で約160兆円に上る。これは日本の2026年度国家予算(一般会計)約122兆円を凌ぐだけでなく、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、キオクシアという時価総額トップ3社の合計(約150兆円)をも上回る。文字通り、国家予算超えの「怪物企業」が誕生しようとしている。

急成長と巨額の赤字構造

160兆円という評価額を支えるのは、急激な売上高の成長だ。2022年に2800万ドルだった売上高は、2023年には71倍の20億ドルに跳ね上がった。さらに、今年は約300億ドルの売り上げを見込んでいる。売り上げの内訳は、個人向け有料版と法人向け(サブスクリプションやAPI利用)がほぼ半々とみられる。

しかし、その急激な成長の裏で、巨額の赤字も膨らんでいる。2026年の赤字額は約400億ドルに達すると予測されている。この赤字の背景には、後述する非営利から営利企業への転換に伴う費用の膨張に加え、AI開発に不可欠なデータセンターを稼働させるためのインフラ維持費がある。

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さらに、ライバル企業との競争激化により、優秀なAI科学者やエンジニアを獲得するための人件費が高騰していることも大きな要因だ。黒字化の達成は2030年ごろになると見込まれており、投資家にとってはリスクとリターンを見極める難しい局面にある。

サム・アルトマンは「資金集めの天才」

OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、巨額の資金を集める手腕に長けている。同社は非営利団体としてスタートしたが、巨額の開発費を賄うため営利企業へと転換。その過程で、マイクロソフトなどから数十億ドル規模の出資を引き出してきた。

しかし、その資金調達力ゆえに、同社の評価額は実態以上に膨らんでいる可能性も指摘される。投資家は、生成AI市場の将来性に賭けて巨額の資金を投じているが、そのリターンがいつ実現するかは不透明だ。

OpenAIの成長は、AI業界全体の動向を象徴するものであり、今後の動向が注目される。

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