NTT西日本は、生成AI(人工知能)を活用した業務効率化の取り組みを加速している。同社は2024年2月、社内の問い合わせ対応に生成AIを導入し、すでに1万件を超える問い合わせを自動処理している。この取り組みにより、年間約1万2000時間の業務時間削減を見込んでいる。
生成AI導入の背景
NTT西日本では、従業員からの問い合わせが年間約10万件に上り、その多くがマニュアルや過去の事例を参照する必要があった。このため、回答に時間がかかり、業務効率の低下が課題となっていた。同社はこの問題を解決するため、2023年から生成AIの導入を検討し、2024年2月に本格運用を開始した。
導入したシステムは、大規模言語モデル(LLM)をベースに、社内のマニュアルや過去の問い合わせデータを学習させたもの。従業員がチャット形式で質問を入力すると、AIが即座に適切な回答を生成する。これにより、従来は平均で1件あたり約10分かかっていた対応時間が、数秒に短縮された。
具体的な効果と今後の展望
NTT西日本によると、導入から約3カ月で1万件以上の問い合わせを自動処理し、回答精度は95%以上を達成している。同社は今後、このシステムを社内の他の業務にも展開し、2025年度までに年間5万時間の業務削減を目指す。また、外部の顧客向けサポートへの応用も検討している。
NTT西日本の担当者は「生成AIの導入により、従業員は単純な問い合わせ対応から解放され、より創造的な業務に集中できるようになった。今後もAI技術を活用し、さらなる業務効率化を進めていきたい」と述べている。
業界への影響
NTT西日本の取り組みは、通信業界における生成AI活用の先駆けとして注目されている。同社の成功事例は、他の企業にも波及し、生成AIによる業務効率化が加速する可能性がある。専門家は「生成AIは、特にマニュアルベースの業務に適しており、導入コストも比較的低いため、今後多くの企業が追随するだろう」と分析している。



