生成AIが思考力を低下させる?世界の研究者が警鐘、創造性への影響懸念
生成AIが思考力低下の懸念、研究者が警鐘

生成AI(人工知能)の急速な普及に伴い、人々の認知能力や創造性への影響を懸念する声が世界的な研究者から上がっている。コーネル大学の心理学者ロバート・スターンバーグ氏は「生成AIが台頭するこの時代における最大の懸念は、それが人間の創造性や知性を損なうかもしれないということではなく、すでにそれが損なわれているということだ」と危機感をあらわにしている。

スマホ依存とAIの手軽さがもたらすリスク

パソコン、インターネット、スマートフォン、そして生成AI。情報技術の進歩はその都度、仕事や社会生活の利便性を向上させてきた。しかし、スマートフォンの中毒性と生成AIの手軽さは、人々の考える力を奪いつつあると指摘する専門家は少なくない。認知的努力を減らすことが長期的な学習に影響を及ぼす可能性は、多くの研究者が懸念する点であり、創造力や発想力を弱めるリスクが指摘されている。

もちろん、スマートフォンや生成AIによって認知能力が低下することが完全に証明されているわけではない。しかし、スターンバーグ氏のような専門家は、すでに損なわれつつある創造性への影響を重視している。

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文科省ガイドラインが示す基本的な考え方

文部科学省は2025年末、「初等中等教育における生成AIの利活用に関するガイドライン」を発表した。この文書では、生成AIの出力はあくまで参考例であり、正確でもなければ質問に対する最適な回答とも限らないことを認識する必要があると述べている。さらに、リスクや懸念を踏まえつつ、最終的には人間が判断し、生成AIによって作成した成果物にも自ら責任を持つという基本姿勢が重要だと説明している。

同ガイドラインは、教育現場での生成AI活用における基本的な考え方を示すもので、児童生徒が自ら考え、判断する力を育むことの重要性を強調している。

自ら調べ考える習慣の重要性

専門家は、まず自分で考えてみることの重要性を指摘する。もしわからないことがあれば、ウェブ検索やAIチャットボットに尋ねることは、図書館で調べものをするのと大差ないとされる。ただし、AIチャットボットはときに誤った回答をする「知ったかぶり」をすることもあるため、特に正確性が求められる事柄では、AIの回答をそのまま受け入れず、他の情報源も参照して自ら判断する習慣を身につけることが、知識を高める上で重要だとされている。

生成AIの利便性とリスクを理解し、適切に活用するためには、人間自身の思考力と判断力を維持・向上させる取り組みが不可欠だ。教育現場のみならず、ビジネスや日常生活においても、この姿勢が求められている。

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