中国・上海で17日、中国政府主催の「世界人工知能(AI)大会」が開幕し、習近平国家主席は発展途上国に対しAI分野で5千人の研修枠を提供する支援策を打ち出した。同時に、中国主導の国際組織「世界AI協力機構」を設立し、AI技術とガバナンスで米国に対抗し主導権を握るため、グローバルサウス(新興・途上国)との連携を強化する姿勢を鮮明にした。
習主席が表明した支援策と新組織
開幕式で習氏は「責任ある大国として、中国はAI分野で一貫して国際公共財の提供者となることに尽力している」と述べた。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)や新興国グループ「BRICS」、中ロ主導の「上海協力機構」などを対象とした「国際AI応用協力センター」を立ち上げることも表明。中国が影響力を持つ国々とのAI協力枠組みを拡大する方針だ。
世界AI協力機構の設立経緯
中国は16日、AIの国際協力とルール作りを促進する「世界AI協力機構」を設立した。調印式には王毅外相や国連のグテーレス事務総長が出席し、インドネシア、ブラジル、南アフリカ、ロシアなど29カ国の代表が協定に署名した。中国は前年のAI大会で機構設立の方針を表明し、1年かけて準備を進めてきた。
米中対立とグローバルサウスの位置づけ
中国はAI分野で米国との競争が激化する中、途上国を巻き込んだ国際ルール作りで主導権を狙う。今回の大会は2018年から毎年開催されており、中国のAI技術発展と国際的な影響力拡大の場となっている。専門家は、中国が技術標準や倫理規範で自国に有利な枠組みを作ろうとしていると指摘する。



