投資家の3割が「AIの暴走」を懸念、日本の機関投資家調査
投資家の3割がAI暴走を懸念、日本調査

野村総合研究所が2025年3月に公表した調査結果によると、日本の機関投資家の約30%が、人工知能(AI)の急速な進化が「暴走」や「制御不能」に陥るリスクを「非常に懸念している」と回答した。同調査は、国内の年金基金や生命保険会社、投資信託運用会社など、主要な機関投資家100社を対象に実施された。

AI投資の現状とリスク認識

調査では、AIを投資判断に活用していると回答した機関投資家は全体の45%に上り、前年の35%から10ポイント増加した。特に、クオンツ運用やポートフォリオ最適化の分野でAIの導入が進んでいる。しかし、AIのブラックボックス化やデータバイアス、サイバー攻撃の標的となるリスクを指摘する声も多く、約3割が「AIの暴走」を最大のリスクと捉えている。

野村総合研究所の主任研究員、山田太郎氏は「AIは市場分析の効率化に貢献する一方、想定外の動作や偏った判断が市場混乱を引き起こす可能性がある。投資家はAIの限界を理解し、人間による監視を徹底する必要がある」とコメントしている。

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規制と倫理の課題

AIの暴走リスクに対する懸念は、日本だけでなく世界的に高まっている。欧州連合(EU)はAI規制法(AI Act)を2024年に成立させ、リスクベースの規制枠組みを導入した。日本でも、2025年2月にAI事業者ガイドラインが策定されたが、投資分野における具体的な規制は未整備だ。

調査では、回答者の60%が「AIに関する規制強化が必要」と回答し、特に「説明責任」と「透明性」の確保を求める声が多かった。一方で、過度な規制がイノベーションを阻害する懸念もあり、バランスの取れた政策が求められる。

今後の展望

AIの活用拡大に伴い、機関投資家はリスク管理の高度化を迫られている。野村総合研究所は、AIの暴走リスクを軽減するためには、AIモデルの定期的な検証や、人間によるオーバーライド機能の実装が有効だと提言している。また、AIの判断根拠を可視化する「説明可能なAI(XAI)」の開発が重要とされる。

山田氏は「AIは強力なツールだが、万能ではない。投資家はAIの提案を鵜呑みにせず、自らの判断と組み合わせることが重要だ」と述べ、人間とAIの協調を強調した。

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