「日本の5Gはなぜ世界から取り残されたのか」原因と課題を徹底解説
日本の5Gが世界から取り残された原因と課題

日本の5Gは、世界の主要国と比較して明らかに出遅れている。2023年時点での5G普及率(人口カバー率)は約30%で、韓国の93%、米国の80%、中国の60%を大きく下回る。この遅れの背景には、周波数割り当ての遅れ、通信キャリアの投資不足、そして高額な5G対応端末の価格が挙げられる。

周波数割り当ての遅れが致命傷に

日本では5G用の周波数帯域の割り当てが2019年と、韓国や米国に比べて1年以上遅れた。韓国は2018年に周波数オークションを実施し、同年12月に世界初の5G商用サービスを開始した。一方、日本では2020年3月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクがようやくサービスを開始。さらに楽天モバイルは2020年9月まで遅れた。

この遅れは、日本の総務省の慎重な姿勢に起因する。総務省は周波数オークションではなく、比較審査方式を採用し、事業者の計画を精査した結果、手続きに時間を要した。また、5Gの国際標準化会議での日本のプレゼンスの低さも影響している。

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キャリアの投資不足とエリア展開の遅れ

日本の通信キャリアは、5G基地局の整備に消極的だ。2023年時点での5G基地局数は約10万局で、韓国の約20万局、米国の約50万局に及ばない。NTTドコモは2023年度末までに5G基地局を2万局増設する計画だが、依然としてエリア拡大は緩やかだ。

理由の一つは、キャリアが4Gからの収益減少を懸念し、投資に慎重になっていることだ。また、政府の補助金制度も不十分で、キャリアの負担が大きい。楽天モバイルは低価格戦略でシェア拡大を目指すが、5Gエリアは都市部に限られている。

端末価格の高さが普及の壁に

5G対応スマートフォンの平均価格は、日本では約10万円と、韓国(約8万円)や米国(約7万円)に比べて高い。これは、日本市場での端末販売がキャリア主導で、端末メーカーが高額なモデルを投入する傾向があるためだ。

「5G端末の価格が下がらない限り、普及は進まない」と、業界関係者は指摘する。実際、2023年の5G端末の販売比率は全スマホの約40%で、韓国の70%、米国の60%を下回る。特に、低価格帯の5G端末の不足が課題だ。

今後の展望と課題

日本政府は2025年までに5Gの人口カバー率を90%にする目標を掲げるが、達成は困難との見方が強い。総務省は2023年4月、5Gの普及促進策として、周波数割り当ての見直しや基地局整備への補助金拡充を発表したが、効果は未知数だ。

また、5Gの需要そのものも不透明だ。現状、5Gの高速通信を活かすキラーアプリケーションが不足しており、一般ユーザーにとって4Gとの差を実感しにくい。企業向けのB2B分野では、自動運転やスマート工場などでの活用が期待されるが、実用化には時間がかかる。

「日本が5Gで世界に追いつくためには、官民一体となった戦略が必要」と、専門家は指摘する。具体的には、周波数割り当ての迅速化、キャリア間のローミング協定の推進、そして低価格端末の投入が求められる。

まとめ

日本の5Gは、周波数割り当ての遅れ、投資不足、端末価格の高さが原因で世界に後れを取っている。政府とキャリアの取り組みが急務だが、需要喚起も含めた総合的な戦略が求められる。今後の日本の5G普及が、世界との差を縮められるかが注目される。

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