ソフトバンクグループは18日、2028年までに米国の主要都市で第5世代(5G)移動通信システムの通信網を展開すると発表した。総投資額は約2兆円(約150億ドル)に上り、既存のTモバイルのネットワークを活用しつつ、独自の基地局も新設する計画だ。これにより、米国市場での5G競争がさらに激化するとみられる。
背景と狙い
ソフトバンクは米国の通信大手TモバイルUSの筆頭株主であり、同社のネットワークを間接的に活用してきた。しかし、5G時代を見据え、自社で直接インフラを整備することで、より高速で安定した通信サービスを提供し、企業向けや自動運転、IoT分野での需要を取り込む狙いがある。孫正義会長兼社長は「米国は世界最大の5G市場であり、当社の技術力を結集してリーダーシップを発揮する」と述べている。
展開計画の詳細
具体的には、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ヒューストンなど主要20都市で、2026年までに試験サービスを開始し、2028年までにカバレッジを拡大する。周波数帯はミリ波とサブ6GHz帯を併用し、高速大容量と広範囲カバーの両立を図る。ソフトバンクは日本で培った5G技術を米国に展開し、基地局の効率的な配置や省電力技術を投入する方針だ。
業界への影響
米国では既にAT&T、ベライゾン、Tモバイルが5Gサービスを提供しているが、ソフトバンクの参入により競争が一層激化する。特に、ソフトバンクが持つAIやロボット技術との連携が強みとなり、産業用アプリケーションでの差別化が期待される。一方で、巨額の投資負担が経営リスクとなる可能性も指摘されている。
市場関係者は「ソフトバンクの動きは、米国5G市場の再編を促す可能性がある」と分析する。Tモバイルとの関係性も注目され、両社が競合するエリアでは料金引き下げ競争が起こる可能性がある。
今後の展望
ソフトバンクは2027年までに5G関連で1兆円の収益を目指すとしており、米国展開はその鍵を握る。また、6Gの研究開発も同時に進めており、長期的な通信インフラ戦略の一環と位置づけている。



