NTTとNECは、次世代情報通信基盤「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」の実現に向け、光半導体の分野で協業すると発表した。両社は、NTTが開発した光電融合技術とNECの半導体製造技術を組み合わせ、2025年までの量産化を目指す。
IOWN実現の鍵を握る光半導体
IOWNは、光技術を活用して現在のネットワークの消費電力を大幅に削減する構想だ。特に、データ処理の高速化と省電力化を両立する光半導体は、IOWNの中核技術と位置づけられている。NTTは、独自の「光電融合デバイス」を開発しており、これをNECが持つ化合物半導体の製造技術で量産化する。
両社は、2023年から共同で研究開発を開始し、2025年までにサンプル出荷を開始する計画だ。具体的には、NTTの研究所で設計した光半導体を、NECの工場で製造する。これにより、開発期間の短縮とコスト削減を見込む。
データセンターの省電力化に貢献
光半導体の実用化は、データセンターの消費電力削減に大きく貢献する。現在、データセンターでは電気信号を用いたデータ処理が行われており、その消費電力は増加の一途をたどっている。光信号で処理することで、消費電力を従来の数十分の一に抑えられる可能性がある。
NTTの澤田純社長は、「IOWNの実現には、光技術の革新が不可欠。NECとの協業で、世界をリードする光半導体を早期に市場に投入したい」とコメントしている。一方、NECの森田隆之社長は、「NTTの先端技術とNECの製造力を結集し、社会課題の解決に貢献する」と述べた。
競争激化する光半導体市場
光半導体を巡っては、米インテルや台湾TSMCなども開発を進めており、競争が激化している。NTTとNECは、日本発の技術で国際競争力を確保したい考えだ。経済産業省も、次世代半導体の国産化を支援しており、今回の協業は政府の戦略にも沿うものとなる。
両社は、今回の協業を通じて、光半導体の設計から製造までの一貫体制を構築し、IOWNの早期実現を目指す。2025年以降は、通信事業者やデータセンター事業者への販売も視野に入れている。



