日本の5G基地局整備が世界主要国に比べて大幅に遅れていることが、東洋経済の調査で明らかになった。総務省のデータによると、2024年3月時点の人口カバー率は約60%にとどまり、韓国や米国の90%超を大きく下回る。この遅れは、通信品質の低下や産業競争力の弱体化につながる可能性がある。
基地局数で見る各国の差
基地局数で比較すると、日本は約8万局に対し、韓国は約23万局、米国は約40万局と、日本は大きく劣る。特に韓国は、政府主導の積極的な投資により、2020年には既に全国主要都市をカバーしていた。一方、日本では通信各社の投資意欲が低く、整備が進んでいない。
東洋経済の記事では、日本の5G基地局整備の遅れ要因として、周波数割り当ての遅さや、地方自治体との調整の複雑さを挙げている。また、通信各社が5Gに多額の投資を行うインセンティブが少ないことも指摘されている。
通信品質への影響と産業への波及
基地局整備の遅れは、通信速度や安定性に直接影響する。実際、日本の5Gの平均通信速度は、国際比較で中位にとどまる。これにより、自動運転や遠隔医療など、高速・低遅延通信を必要とする産業の競争力が低下する恐れがある。
総務省は、2025年度までに人口カバー率90%を目標に掲げるが、現状のペースでは達成が難しい。専門家は「政府の支援強化と通信各社の投資促進策が必要」と指摘する。例えば、税制優遇や補助金の拡充が考えられる。
今後の展望と課題
5Gは、第4次産業革命の基盤技術であり、その整備遅れは日本の経済成長に悪影響を及ぼす。特に、製造業や物流業界での活用が期待されるが、現状では実証実験段階にとどまっている。
東洋経済の記事では、日本の5G基地局整備の遅れが、6Gへの移行にも影響する可能性を指摘。6Gでは、より多くの基地局が必要となるため、現在の遅れが将来の技術格差を拡大させる懸念がある。
記事は、日本の5G基地局整備の遅れを解決するには、官民一体となった戦略的な取り組みが不可欠だと結論付けている。



