調査会社のIDC Japanは、アジア太平洋地域(日本、中国、韓国、インド、オーストラリアなど)の5G市場規模が2023年の約6,000億ドルから、2028年には約1兆2,000億ドルへと倍増するとの予測を発表した。年平均成長率(CAGR)は約15%を見込む。
成長のけん引役は日本、韓国、中国
同地域の5G市場は、日本、韓国、中国の3カ国が全体の約70%を占めるとみられる。特に中国は、政府主導の大規模なインフラ投資と、製造業や物流業界での5G活用が進んでおり、市場拡大の中心となる。日本では、2024年から本格化するローカル5Gの普及と、自動運転やスマートファクトリー向けの需要が成長を後押しする。
消費者向けから企業向けへシフト
IDCのアナリストは「初期の5G市場はスマートフォン向けの消費者サービスが中心だったが、今後は企業向けのB2Bサービスが成長を牽引する」と指摘する。具体的には、遠隔医療、スマートシティ、産業用IoTなどの分野で5Gの需要が高まると予測される。また、5Gネットワークのスライシング技術により、異なる業種に最適化されたサービス提供が可能になる点も成長要因だ。
課題と今後の展望
一方で、基地局の設置コストや周波数割り当ての遅れ、セキュリティリスクなどの課題も存在する。特にインドや東南アジア諸国では、インフラ整備の遅れが市場成長の制約となる可能性がある。IDCは「各国政府と通信事業者が連携し、投資環境を整備することが重要」としている。



