坂本花織、りくりゅうの逆転劇から受け取った「黄金のバトン」で不安を払拭
2026年2月18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックのフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で、坂本花織は演技を終え、笑顔を見せた。前日には報道陣の前で涙を流すほど不安に駆られていたが、この日は一転して「いい緊張感」の中でスタートを切ることができた。
前日の不安から一転したリラックスモード
坂本は前日、男子フリーの鍵山優真やペアSPの三浦璃来・木原龍一組といった日本のエースたちが予期せぬミスを連発したことに動揺していた。「ストイックな人たちでもミスがある。自分もそうなるのでは」と、手も足も震えるほどの恐怖を感じていたという。
しかし、SP本番では演技前半のスピンを終えた頃から「不思議なリラックスモード」に突入。スケートを始めて21年目で初めて経験する感覚だったと語り、「今この瞬間を満喫しようと滑った」と振り返った。
りくりゅうの逆転金メダルがもたらした転機
転機となったのは、前夜に観戦した三浦璃来・木原龍一組のフリー演技だった。2人は「頑張ってカオちゃんに良いバトンを渡すからね」と言い残して銀盤に立ち、見事な大逆転劇で金メダルを獲得。坂本はその感動で自身の不安が吹き飛んだという。
「黄金のバトンを届けてくれた。自分も行ける気しかしなくなった」と坂本は語り、りくりゅうから託されたバトンに勇気づけられた心境を明かした。
キス・アンド・クライでの心温まる一幕
演技後、キス・アンド・クライで得点を待つ間、会場のモニターに応援に来た三浦・木原組の姿が映ると、坂本はハートのポーズを作って応えた。この心温まる交流が、会場の雰囲気を和ませた。
トップに立つ中井亜美への敬意と闘志
SPでは初出場の中井亜美がトップに立った。坂本は「日本(の将来)は安泰。追いかける立場でいさせてくれて亜美ちゃんに感謝です」と若手の台頭を喜びつつも、総合1位を譲るつもりはないと闘志を燃やした。
「バトンを握って、先頭でゴールテープを切りにいく」と語り、りくりゅうから受け取ったバトンをしっかりと握りしめ、最終的な勝利を目指す姿勢を示した。
築き上げた戦略とライバルたちへの思い
坂本はこれまでの競技生活で、強すぎるライバルたちとの戦いを通じて独自の戦略を築いてきた。その経験が、今回の五輪でも不安を乗り越える基盤となっている。
最終的には、りくりゅうの金メダルという輝かしい成果から受け取った「黄金のバトン」を原動力に、自身も頂点を目指して滑り続ける決意を固めたのである。



